この記事は第55回試験2か月前に【実技試験対策に行き詰った・伸び悩んだ】受験生に向けてまとめた記事です。過去のことですが、毎回の試験前に共通して伝えたいことなのでタイトルだけ微修正して各試験前にUPしなおしていくので、記事内の試験回に囚われず次回試験に向けてだとお考えください。
試験まで残り2か月。今の対策方法で大丈夫?
ついに第55回試験の受験申請がスタートしました。試験まで残り2か月と少しです。
学習手法や計画・方針を切り替えるには今が最後のタイミングです!!
最後の2か月をどう過ごすべきか、僕なりにまとめていくのでチェックしてみてくださいね。
前回は学科試験対策に関してまとめたので、今回は実技試験編をまとめていきます。
学科試験編の記事は以下。
以下、学科試験編と被るところもありますが、実技試験用に加筆・修正しているところもあるので、できれば読み飛ばさず読みすすめてくださいね。
この記事を読むべき受験生
といっても、確固たる自分なりの方法や計画、対策をすでに持っている受験生は読んでもあまり得るものはないと思います。なので、以下のような状況の受験生は是非読んでみてくださいね。
①今の学習方法に不安や迷いがある
今の学習方法に自信を持てない・納得のできてない状態で学習を進めても、理解や定着はイマイチです。
今、自分がやっている勉強は【今すべきこと】なんだろうか…
と、もやもやしていませんか?
そんな受験生に向けての記事です、自分の学習が正しそうであれば自信をもって引き続き継続していき、間違っている部分があれば、今のうちに軌道修正しておきましょう。
②何をすればいいかわからない
受験生一人一人の学力状況によるので、一人一人にピンポイントに何をしていけばよいかは提案してあげられませんが、やるべきことの優先順位は提案してあげられるので、優先順位の高いことから順にやっていきましょう。
③的を絞った学習ができないorどこに的を絞ればいいかわからない
わからないことが多すぎて、試験日まで時間が足りない。あれもこれもやらなきゃ…。
覚えることがたくさんあって、どこから手を付ければいいかわからない。
こんな受験生のよくある失敗例として
【手当たり次第学習して、全て中途半端になる】
というのが見受けられます。
気象予報士試験の実技試験は、これまで学んできた気象学の
【総合力】
と
【アウトプット力】
が試されます。
総合力は、その名の通り、学科試験の学習内容も含めしっかり理解・把握・暗記できているかどうかということです。
実技試験の問題は、学科試験の学習内容が理解できている前提で作られています。学科試験内容の理解・定着が不安定な受験生は、実技試験の突破は難しいです。
知識不足の受験生は以下のどちらか、もしくは両方の状況に当てはまると思います。
①知識問題で正答率が低かったり、記述問題での部分点がもぎ取れず合格点の70点前後には達しないでしょう。
②もしくは、知識不足やうろ覚えによって回答時間が圧迫され時間内に解けきれず、合格点が取れない。
どちらかに当てはまる人は、改めて理解・暗記の甘い単元があれば学科試験のテキストも引っ張り出して復習しましょう。
また、アウトプット力も必要になってきます。
どれだけ、テキストで各擾乱の特徴や性質を学習したとしても、実際に実技試験を解いてみると手も足もでないはずです。
実際に僕もそうでした。
目の前の天気図・衛星画像等の情報をどのように分析・処理をするかはインプットした知識を基に行います。
が、その処理をした結果を、【どのように解答用紙に落とし込むか】がアウトプット力です。
これは、経験と実践で養うしかありません。
以前、国語力の記事をまとめていますが、国語力もこのアウトプット力の1つです。
実技試験攻略に必須な三大国語力~読解力~
実技試験攻略に必須な三大国語力~語彙力~
実技試験攻略に必須な三大国語力~要約力~
実技試験では、このアウトプット力が必要になるため、テキスト学習のみでは合格ができません。
気象予報士試験に関してまとめたサイト等ではどこでも必ず
過去問対策が命
と書いていますが、それはこのためです。
僕も完全に同意です。
そして、最近の出題傾向として…
かつては【温帯低気圧】や【台風】など1事例に対して1つのメインテーマに絞られての出題でしたが
近年の問題では【台風】+【温帯低気圧化】や【寒冷低気圧】+【大雪】、【温帯低気圧】+【ポーラーロウ】など、1事例に対して【メインテーマ2つorメイン1つにサブテーマ1つ】といった感じで、複数のテーマが複合する事例が多く出題されているように思います。
僕が実際に第28回~第54回まで実技試験過去問を解いてみた体感を基にしています。
なので、学習内容すべてをきちんと理解し、使いこなせるようにならないと実技試験突破は難しいです。
これまでの学習の集大成が実技試験です、気張って取り組みましょう!!
実技試験編
まずは基礎固め!!国語力や小手先のテクニックはそのあと。
基礎を笑う者は基礎に泣く
これを肝に銘じてください。
実技試験に取りくんでみると、その難易度や特殊な出題傾向・試験内容にぶちあたり
これまでとは全く違う勉強や対策が必要だ…
とか
実技試験で点が取れないのは、テクニックがないから・解き方を知らないからだ
なんて、どうしても難しく考えてしまいます。
もちろん、それは誤りではないのですが、その思い込みのせいで
基礎の重要性
を見失ってしまう受験生は多いのではないかと思います。
残念ながら実技試験がスラスラ解ける、簡単に合格できる!!
といった夢みたいなテクニックや裏技は一切ありません。
全ての合格者は制限時間内に合格点を取るために、コツコツ基礎固めと演習を繰り替えしてきただけです。
基礎ができていないと以下のような状況に陥ります。
①制限時間内に解き終わらない。
→単純な知識問題で悩んでしまったり、記述するときに用語や漢字がスパッと出てこずタイムロスが発生する。
②記述問題で部分点がほとんど取れない。
→的外れな回答や、言いたいことは近しいが気象学のルールに則った表現ができていない記述をしてしまったり、気象学的な矛盾をはらんだ文章を作ってしまい0点になってしまう。
③難易度の高い問題や応用力の求められる問題で正答を導けない。
→基礎知識を組み合わる複合的・発展的な思考力・分析力が必要な問題や、初見の問題に対応できない。
④問題文を読んでも、天気図や画像のどこに着目すればいいかわからない。
→出題された擾乱の特徴や、その図表や資料の特性を知らないために、どこに着目すればいいかピンとこない。
これらすべては基礎力不足によるものです。
この記事の冒頭ではアウトプットだなんだと言ってきましたが、それもこれも
インプットが完璧!!
という前提での話です。
過去問をやみくもに解くだけでも点数は伸びます。
が、必ず【合格点に届かないどこかで頭打ち】になります。
それは、出題傾向に慣れてきたというアウトプット力の伸びによる点数UPです。
しかしアウトプット力の伸びしろには限界がありますし、アウトプット力だけに頼っても大きく点数UPは期待できません。
インプットした知識の量と質が良質であればあるほど、アウトプット力は活かされます。
逆にインプットしている知識の量と質が貧相であれば、如何にアウトプットが上手く、巧みでもほとんど活かされず点数にも反映されません。
確かにインプット学習は地味で、コツコツ地道に頑張らなきゃいけないのでしんどいです。
でも、インプットの量が合格に直結すると思って頑張ってほしいです。
もし今、点数の伸び悩みが見える・制限時間内に解き終わらないという受験生は、残り2か月あればまだ間に合うので、自分の理解が不十分な単元・曖昧になってしまっている知識の復習を行いましょう。
過去問対策へ移行
とはいっても、インプットだけでは合格できません。インプットした知識を如何にアウトプットするかを、過去問対策で身に着けていきましょう。
過去問対策は質も量も大事
以下の記事
や、以下の記事
でもまとめていますが、僕は実技試験過去問を演習・復習するのにあたって、75分の回答時間も込みで
一事例あたり3時間
ぐらいかかっていた。
各回、実技1と実技2と合計で事例が2つあるので、1回分の2事例を復習し終えるのに6時間使っていました。
よく
過去問は何周すればいいですか?第何回からやればいいですか?
なんていう質問を受けるんですが
【正解はありません】
数を意識するあまり復習がおろそかになるのも、質を意識するあまり数をこなせなくなるのもどちらも避けるべきです。
ただ、やみくもに解くぐらいであれば、質を意識して復習をしっかりしたほうがいいかなとは思います。
逆に、解くことだけに満足してしまって、復習や見直しを適当に行ってしまうのは絶対にやめてください、ほとんど得点UPにつながらないはずです。
合格レベルに達していない受験生が、しっかり復習すれば、1事例あたり復習だけで1~2時間はかかるはずです。
逆に、復習時間が1時間未満で済む場合は、合格レベルに達していると判断する一つの基準にしてもいいかもしれません。正答率がたかければ見直すところもどんどん少なくなりますしね。
受験日から逆算して学習スケジュールを立てる
過去問演習に時間がかかることは理解いただけたと思います。
では、その時間がかかる過去問演習をあなたは受験日までにどれだけやりこめるでしょうか?今のうちから学習のスケジュールをたてておきましょう。
あと2カ月しかありません。
毎日90分しか勉強できない受験生は、2日かけて1事例の過去問演習と復習を行わなければいけません。試験1回分の実技Ⅰと実技Ⅱにの復習まで終わらせるのに4日必要になります。
そうなると、合計15回分の過去問しか解けません。
15回分解けるとして、直近から最も近いものから順に15回分を1周するのか、7回分までを2周するのか、はたまた苦手な台風の事例にしぼって15回分の演習を行うのか…
どの過去問を使えばいいかはあなた次第なので断言できません。
が、時間は有限なので、何をすればいいかきちんと計画を立てていきましょう。
あまり細かい計画でなくてもいいです、1日絶対1事例解く!とか、土日は2事例解く!!とか
自分なりの目標とペースを設定しましょう。
受験日までの残り時間と、日々学習に使える時間を基に設定してくださいね。
過去問演習の中で自己分析を進めておく
どこが苦手か、得意か。
できること、できないこと。
うろ覚えなところや見落としがちなところ、良く忘れてしまうところ。
など、過去問演習の中で、自分の弱点などをきちんと分析しておきましょう。
過去問演習の中で、自己分析を進めておくと、さらに試験が近づいてきた1か月前や1週間前の時期になって
どこを重点的に勉強すればいいか
が、わかってきます。
受験直前期に慌てずに学習に取り組めるように、自己分析も意識しながら過去問対策を行っていって下さいね。
毎日の天気図・衛星画像をこまめにチェック【学科と共通内容】
実技試験試験では、衛星画像や天気図を元にした出題が基本です、日々の観測データ等もこまめにチェックしておくと役立つことがあります。
特に今の時期は、秋から冬にかけておこる顕著な気象現象が観測されることも多いです。
たとえば…
- 済州島のカルマン渦
- 日本海の筋状雲や大雪
- 霜
- 西高東低の気圧配置
などなど、テキストでは見たことあるけど実際にリアルタイムで見たことがないという受験生も多いと思います。
この時期特有の気象現象を見逃さずに済むように、アンテナを張っておきましょう。
ツイッター等で、珍しい雲や教科書的な雲が観測された時に共有してくれる人たちがいますので、是非参考にしましょうね。
テキストの写真でしか知らないのと、実際に観測されている様子をチェックしておけるのとでは天と地ほど理解や定着に差が出ます。
テキスト学習だけだとどうしても【他人事】として捉えてしまう感が強いです。
リアルで観測されている様子に触れられると、一気に【身近な現象】として感じられます。
どうでもいい他人の誕生日は覚えられなくても、友人の誕生日は覚えられますよね?
それと同じで、それぞれの気象現象と仲良くなることが理解・定着の近道です。
能動的に気象に触れていきましょうね。
暗記だけで点が取れる分野は完璧にする【学科共通】
実技試験でも、天気記号や雲形記号など、暗記だけで点が取れる問題も結構あります。
この暗記で点が取れる問題を取りこぼしていると合格はどんどん遠のきます。
天気記号など、ただ覚えていればいい分野はきちんとインプットしておきましょうね。
めんどくさい暗記が、結局合格のための一番の近道なんです。
効率よく合格を目指すために暗記をさぼるのは結局遠回りになりますよ。
気象災害・防災に関する学習と気象庁HP【専門知識編と共通】
近年、気象災害と防災に関する出題率や比重が学科・実技ともに大きくなってきています。
テキストや気象庁HPを元に各気象災害や防災に関してのシステムや仕組みのチェックをしておきましょう。
たとえば【土砂災害警戒情報】などもテキスト学習だけだと、実際にどんな仕組みでどんな運用をされているかしっくりきませんが、実際にリアルタイムで警報や注意報の出されている地域があれば随時チェックしておくと、理解が深まります。
天気図や衛星画像チェックの時にお伝えしたように、他人から友達になることを意識して主体的に学習に取り組んでください。
気象庁HPに関しては以下にまとめています。
以上です。
短期の個人指導も承っています。
最後の2か月、より効果的な学習をしたい。絶対に合格したい。
受験生は短期の個別指導や学習コーディネートを承っているので、随時相談下さいね。
自分は過去問のどの回を何周すればいいかわからないなんて言う相談もお問い合わせいただければ有料ですが承ります。
短期や単発の利用でも、1回だけの特定単元の指導、過去問の解説などなんでも承ります。
もちろん、長期的な指導も大歓迎です。
受験の戦略を一緒に立てたり学習計画をチェックしたりと有料ですが引き受けますので、何かあればお気軽にお問い合わせくださいね。
自分の学習が正しそうだった人はさらに自信をもってあと2か月がんばっていただき
見直すところがあった人は「今気づけて良かった」と前向きにとらえて学習方針を修正していきましょう。
試験当日、精神的にもベストなコンディションで臨むために、日常学習に対して自信をもって取り組むことは非常に重要です。
あと2か月一緒にがんばりましょう。