気象予報士試験の実技試験の解説記事です。
本記事は第60回実技Ⅰのものとなります。
実際の天気図に書き込みした画像を使ってわかりやすくまとめているので参考にしてください。
難易度
平年並み~やや難
総評
第60回実技Ⅰは、典型的な冬型がテーマとなっています。日本海を通過する低気圧やトラフ、JPCZに関する問題です。
各問題の難易度は平年並みでしたが、作図3題に加え指定字数の多い文章題も比較的多く作業量が多めな回でした。
また、複数のトラフを追跡させたり単純な短答問題でも図表の解析量が多かったりと、かなり時間に追われる内容だったように見受けられます。
それもあり、難易度は平年並み~やや難と設定しています。
冬型は、JPCZ・ポーラーロウ・雪関連など出題レパートリーがさほど多くないため、基礎をきちんと理解してる受験生は問題の誘導にもしっかり乗ることができ、時間内に及第点を取ることはできたはずです。
この問題の復習の仕方
冬型が苦手な受験生は、弱点補強が可能なテーマになっています。
また、ウインドプロファイラ・エマグラム・シアラインなど頻出の図表からまんべんなく出題されているので、図表解析の総合力を養いたい方はしっかり復習しましょう。
この問題の目標点
第60回の実技の合格基準点は66%以上合格でした。
第60回は実技Ⅱが難しかったことも踏まえると、この実技Ⅰでは初見で75~80点を目標にしたいです。
上述のようにこの実技Ⅰは「作業量は多いものの、各問題の難易度は平年並み」なので「基礎を如何にスピーディーに処理できるか?」が問われます。
目標が取れない受験生は基礎固めを行い、基礎問は間髪入れず正答できるようにしましょう。
問1
では問1から見ていきましょう、まず問1に共通の問題文を載せておきます。
小問毎の問題文は更に細かく分けて載せていきます。
問1-(1)
(1)の問題文は以下です。よくみかける気象概況の穴埋め問題です。回答の方法に指定があるところは、見落とさないようにしましょう。
以下画像でどこを見るべきかまとめています。
問題文の穴埋めのところに色分けして下線を引き、その下線と同じ色を使ってその穴に対応しているポイントを結び付けています。
また、直接解答には関係ない所も、類似問題で出題の可能性が高そうなところや各擾乱の位置などは同色の破線などでマーキングして紐づけています。
このあたりは知識問題のため、細かい解説は入れておりません。
水色破線の【南西側1100海里】は英文の方では【Within 1000 NM OF Low SW-Semicircle】に対応します。
Within→以内・NM→海里(ノーティカルマイル)・SE→南西(South East)・Semi circle→半円
ですね。
紫破線は【逆側半円】ということで、問題文中の【北東側】となります。
⑤薄桃マーカーの円の中心に(-113)の極小値があります、そこが答えです。
⑥は、赤マーカ―でなぞった等温線が北に凸になっている&風向が南になっていることから、暖気移流です。
⑦は⑥と同じ理屈で寒気移流ですね。
⑧は明白色なので【雲頂】の高い雲です。
⑨と⑩は積雲と層積雲のマーク。
⑪は【弱い】しゅう雪ですね。*の下の逆三角形の中に横線が入っているかで強度を区別するんでしたね。
基礎ばかりとは言え、いくつかの天気図をつかうので多少時間がかかってしまいます。この序盤を如何に早く正確に解けるかが、合否に直結するので、取りこぼしやケアレスミスの多かった受験生は必ず復習しましょう。
(1)模範解答
(2)
次に(2)です。
まず①です。
続きはnote記事での公開になります。続きが気になる方は以下リンクよりどうぞ!
そら坊の過去問解説note【第60回実技Ⅰ】
続きはnote記事で掲載しております。