国語力UPが実技試験の点数を伸ばす。
実技試験の難しさの理由を知ることが点数UPの第一歩。
気象予報士試験の実技科目は、一般的な資格試験に比べて特殊な出題形式なうえ、膨大な量の問題を75分で解きらなければいけないという非常に高難度な試験である。
特に記述量の多さや、独特な採点基準や形式のせいで
【気象の試験ではなく国語のテストだ】
と揶揄されることも多い。
それは事実だ。
気象の試験で国語力が問われる是非は置いておいて、実技試験をむずかしいと感じる受験生が多いのは
この事実を知らない受験生or腑に落ちていない受験生
が多いからだ。
国語力がどんなふうに問われ・国語力をどう活用していくかを知っておくことで実技試験はいくぶん楽になる。
このページを見てくれた受験生が実技試験で苦戦しないように、実技試験における国語力に関してまとめる。
【気象予報士試験で問われる三大国語力】
まず三大国語力は以下である。
1.読解力…文章を読み解く。
2.語彙力…気象用語を知り、使いこなす。
3.要約力…指定字数にうまく・素早くまとめる。
字数の関係もあり、今回は1の読解力に関してまとめる。
1.実技試験攻略のための読解力
日々の学習にも影響
自主学習においてテキストをどれだけ正確に理解できるかなどももちろんここに含まれるし、それは試験対策において多大な差をもたらすことになるが、今回はあくまで
【実技試験の解答作成における】
読解力としてまとめる。
実技試験において読解力が求められる場面
当たり前のように聞こえるかもしれないが
【問題文の読み解き】だ。
もちろん、単純に問題文を読むということではない、言い換えると
【出題者の意図】を読み解く。
ということだ。国語のテストでも【作者の意図を答えよ】なんて出題があったのとそっくりだ。
実技試験では、この【出題者の意図】をいかに見抜けるかで回答の精度に差が出るとしっかり理解しよう。
【参考書】独学合格者が使ったテキスト紹介【実技編】で紹介した以下のテキストにも出題者の意図を汲み取った記述方法のノウハウをまとめている。まだテキストを持っていない人や、記述力がつかずに困っている人は是非参考にしてみてほしい。
出題者の意図とは?
受験生が読み解かないといけない出題者の意図というのは至極単純で、問題を通して
【受験生に気づいてほしいことは何か】
という1点だけである。
わざわざ【問題】にしては出題するには必ず【意味がある】のだ。
一つ具体例を示す。
つい先日行われた第54回試験実技2より問題を拝借する。
この問題文と図を見た瞬間に、慣れた人であれば【出題者が何を答えてほしいのか】すぐにピンとくるのだが、慣れていないと何に着目すればいいかわからず、とんちんかんなことを書いたり、図表から読み取れることすべてを手あたり次第抜き出し、まとまりのない記述をしてしまうのだ。
なぜ慣れた人だとすぐにピンとくるのかというと。
今回出題されている台風は、台風のとある特徴が顕著にわかりやすく出現しており、受験生がその特徴を知っているか・気づけるかを試すのに持って来いなのである。
模範解答は以下のようになっている。
台風の進行方向右側というのは【危険半円】のことだ。
例えば「台風の南東側に風の強い領域がまとまっている。」という回答にした場合。
間違ったことは述べていないのだが、【危険半円】のことをきちんと理解したうえでそう答えているのかどうか判断がつかない。
そうなると、「出題者の意図を汲み取れていない・キーポイントを見抜いた回答ができていない」ということで減点されてしまう。
ちなみに僕は心配性なので、危険半円に気づいているということを採点者にきちんとアピールするために、
【台風の進行方向右側のいわゆる危険半円側で風速が相対的に強く~】
と、若干文字数を付けたし回答した。
といった具合に、ほぼすべての問題に
【出題者がそこに着目して問題を作った理由・意味】
というのがある。
それに気づくことができ、出題者の立場になって「なぜここが出題されているんだろう?」といったところを見抜けるようになると実技試験が少し楽になるはずだ。
読解力の磨き方・出題されやすい要素
ではどうすれば読解力を伸ばせるのか。
これは過去問演習の際に磨くことが可能で、方法としては
【問題文・使用された図表やグラフなどの気象情報・模範解答】
をなんども照らし合わせて、出題者が受験生にこたえてほしかった要素を見抜く訓練をするのが一番だ。
気象予報士試験対策に必要な道具・アイテムのページのファイルの紹介のところに、僕の過去問演習の時の解答用紙を載せており、どのように読解力を養っていったかがわかるようになっているのでチェックしてみてほしい。そちらでは、画像が小さくて細かくは見えないが、解答用紙や図表、問題文をどのようにまとめて見返していたかはわかるはずだ、参考にしてほしい。
また、それぞれの擾乱に合わせて出題されやすいテーマというものはある。
今回の台風で言えば【台風の温帯低気圧化・暖気核・吹き返しの風・対称性の崩壊】などだ。
あとはどんな擾乱であっても共通して出題されやすい要素としては
【災害につながる・防災にかかわる】
要素である。テーマとなった事例の中で大きな被害をもたらしそうな現象に関して、出題されることも多い。
やはり気象予報士である以上、天災や自然災害に関してのアンテナをきちんと貼っておかなければいけないからであろう。
語彙力と要約力に関してはまた別記事でまとめていく。