実技学習における【基礎学習】と【実践対策】の比重
実技試験対策の要・メインは実践対策であると心得る
実技試験対策は大別すると
【基礎学習】と【実践対策】
の2つしかない。そして合格するための重要度の割合は
【基礎学習】:【実践対策】=1:9
といっても過言ではないぐらい、実践対策が命だ。学科試験を乗り越えてきた受験生達であれば、基礎学力だけで大きな差は生まれない。
【如何に良質な実践対策】を【どれだけの量こなしたか】
が受験生の合否を分けているのだ。
このページは0からの学習スタートのためのページなので、重要度1割の【基礎学習】に焦点を当てた記事となる。
が。貴重な実践問題を浪費せず、1事例でも多く良質な実践対策をするためにはその「基礎学習」の質が重要だ。
また、独学で効率よく短期合格を目指す読者に向けて、なるべく早く実践対策に移ってもらえるように、無駄のない学習計画を紹介したい。
「準備8割・仕事2割」という言葉があるように、基礎学習の質が実践対策の良し悪しを左右し、実践対策の質が合否を左右することになるので是非参考にしてほしい。
市販テキスト2冊で実技試験を突破する学習スケジュール
0から合格までの実技試験の学習・対策方法
前回こちらのページ【参考書】独学合格者が使ったテキスト紹介【実技編】で2冊のテキストを紹介させて頂いた。その2冊のテキストを元に効率よく着実に実力をつけていくための使い方・スケジュールを紹介していく。
改めて2冊のテキストはこちらだ。
1.【読んでスッキリ!解いてスッキリ!気象予報士実技試験合格テキスト&問題集】
編集・著作:気象予報士試験対策研究会 出版:ナツメ社
2022年9月現在、この記事で紹介しているテキスト【解いてスッキリ!実技編】は品薄状態で定価でなかなか手に入りません。同様の効果が期待できる実技テキストが【よくわかる気象学~実技編~】です。以下にそちらのテキストの紹介記事も載せているので気になる方はそちらもチェックしてみてください!
-
【独学合格必須テキスト】~よくわかる気象学《実技編》~の感想・レビュー記事【気象予報士試験おすすめ参考書】
よくわかる気象学実技編のレビュー記事です!
なお、【解いてスッキリ!実技編】と【よくわかる気象学~実技編~】は内容や学習効果が類似のテキストなので、このページで【解いてスッキリ!実技編】で行うことをお勧めしている実技対策は【よくわかる気象学~実技編~】でも代用できると思って読み替えてくださいね!
2.【らくらく突破 気象予報士簡単合格テキスト実技編】
著作:気象予報士試験受験支援会 出版:技術評論社
2冊のテキストのおすすめポイントや内容面に関してはこのページでは割愛する。
テキスト自体の紹介はこちらのページでどうぞ。【参考書】独学合格者が使ったテキスト紹介【実技編】
まずは学習の流れ・スケジュールの概要を示す。
※なお、ページの見やすさを考慮しテキスト名を省略する。
1冊目を【スッキリ】or【よくわかる気象学】2冊目を【らくらく】とする。
0からの実技試験対策:学習スケジュール概要
ステップ0:1問だけ実践問題解いてみる。
学習期間:1日
ステップ1:実技に必要な基礎知識の復習
学習期間:2~3日
ステップ2:各図表や解析の仕方の学習
学習期間:2~3日
ステップ3:各種代表的な事例・擾乱の基礎知識学習
学習期間:1週間~10日
ステップ4:実技試験の解答・記述のコツ。採点基準の理解
学習期間:2~3日
ステップ5:作図・前線解析等の学習
学習期間:1~2日
ステップ6:巻末の暗記事項
学習期間:1週間~10日
ステップ7:実践対策
学習期間:合格するまで
以上が学習スタートから実践対策開始までの効率のよいフローとスケジュールである。
ちなみに各ステップの学習期間だが、学習に費やせる時間や学習ペースによって個人差は大いにある。
ここでは、1日2時間・1日おきに学習を行うと想定して期間を設定しているので、もっとがっつり取り組める読者であれば1週間ほどで実践対策に取り組む準備が完了している人も出てくると思う。
自身のなかで「実践対策してみるか」と自信がついた読者は時間を計って過去問や類似問題に取り組んでみよう。
ちなみに、各ステップにおいて、理解や暗記は7~8割ほどの定着を目安にしてもらってよい。
最後の実践対策で、なんども復習見直しをしていくうちに残りは固まってくるし、残りを固める必要性に迫られるはずだ。
最初から完璧に暗記してもらってもいいが、実践対策しながら身についたり、実践対策したからこそ身につくこともいろいろあるはずなので、いきなり完璧に暗記してもおそらく、また何か追加で覚えなおしたり、効率が悪くなったりするはずだ。
実践対策までに各ステップ7~8割の理解・定着・暗記で臨んでみよう。
各ステップの解説
2022年9月現在、この記事で紹介しているテキスト【解いてスッキリ!実技編】は品薄状態で定価でなかなか手に入りません。同様の効果が期待できる実技テキストが【よくわかる気象学~実技編~】です。以下にそちらのテキストの紹介記事も載せているので気になる方はそちらもチェックしてみてください!
なお、【解いてスッキリ!実技編】と【よくわかる気象学~実技編~】は内容や学習効果が類似のテキストなので、このページで【解いてスッキリ!実技編】で行うことをお勧めしている実技対策は【よくわかる気象学~実技編~】でも代用できると思って読み替えてくださいね!
-
【独学合格必須テキスト】~よくわかる気象学《実技編》~の感想・レビュー記事【気象予報士試験おすすめ参考書】
よくわかる気象学実技編のレビュー記事です!
ステップ0:1問だけ実践問題を解いてみる。
基礎学習をスタートする前に1問だけ実践問題を解いてみよう。
冒頭と矛盾するかもしれないが、実技試験の基礎学習をスタートする前に
1問だけ実践問題を解いてみてほしい。過去問か模擬試験か。過去問はなるべく古いもの。
実技試験がどんなものか一度体験してみたほうが学習を進めていくうえで非常に効率がいい。
どんな解答を求められるか知らないのに記述のコツや学習の要点はわからない。
おそらくほとんど答えられないだろうが、2時間・3時間かけてもいいので自分なりに頭をひねって、一度解答欄をすべて埋めきってみてほしい。で、自己採点してみて解説を読んでみてほしい。
実技試験がどんなものか肌で感じられるだろう。
実技試験が何たるかを知る。
ことが実技試験対策の第一歩なのだ。
実技学習をしたことがない受験生だと、1事例だけでも解答に2時間自己採点と解説を読むのに1時間半ぐらいはかかるだろう。無駄な時間のようにおもえるが、1度試験を体験しておくことで、今後の学習効率と学習モチベーションが何倍も上がると約束しよう。
モチベーションアップは【天気予報っぽい❕❕】で上がる人と【わけわかんなすぎてやべぇ】で危機感がでてきて上がる人とのどっちかだと思うよ❕❕僕は後者だった。
めちゃくちゃ難しいから、覚悟してね。
ステップ1:実技に必要な基礎知識の復習
使用テキスト:【スッキリ】or【よくわかる気象学】
当たり前だが、実技試験の学習もすべては学科試験での学習内容が基礎の基礎となっている。
学科試験通過が前提で試験は作成されている。なので、学科試験合格から期間が空いてしまっている受験生や、運よくギリギリで学科試験に合格し基礎学力に不安がある受験生は、まずは学科試験内容も含めた基礎知識・基礎固めをしたほうがよい。
しかし、学科試験と実技試験では試験の本質が違う。
学科試験:知識を理解・暗記しているか
実技試験:学科試験で蓄えた知識を適切・迅速に使いこなせるかどうか
が、それぞれの試験の本質である。そのため、実技試験対策に取り組むにあたっては、学科試験内容の中でも【予報に必要な基礎知識】を重点的に復習しておきたい。
そこで、【スッキリ】or【よくわかる気象学】のテキストを使ってほしい。
スッキリのテキストでは、実技対策のための解析や各種図表の解読方法の解説をしつつ、その作業に必要な【熱力学】【エマグラム】【衛星画像の見方】【前線の構造】等々の基礎知識の振り返りも一緒にまとめてくれていて、大変丁寧で分かりやすい。
実技試験対策初学者は是非【スッキリ】テキストを用いて、基礎知識の復習とその知識が実技試験にどう絡んでくるのかをまずは学習してほしい。
ステップ2:各図表や解析の仕方の学習
使用テキスト:【スッキリ(よくわかる気象学)・らくらく両方】
実技試験では様々な天気図や衛星画像、断面図や地形図・波浪図などが出題される。学科試験で学んだけど使い方がさっぱりだった図表に加え、実技試験でははじめましてのくせに、頻繁に出てくる図表もあったりと、バリエーションに富んだ図表のレパートリーで受験生を翻弄してくる。
各実技テキストでは、この各種図表の解読の仕方やその図表でよく問われる項目や着眼点に関して解説してくれている。
次のステップ3で各種事例や擾乱にかんしての基礎学習がはじまるが、そこでもこの図表を理解できていないと学習が進まないのでここは必修である。
【スッキリ(よくわかる気象学)】では、ステップ1で解説したように、よりとっつきやすく見やすいレイアウトと図解で解説しつつ、合間に図表解析のために必要な学科試験内容の振り返り・基礎知識なども挟んでくれている。
【らくらく】では、【スッキリ(よくわかる気象学)】よりも詳細な情報と解説が乗っている。
【スッキリ(よくわかる気象学)】でまずは一通り学習し、【らくらく】で細かい部分を固めるとよいだろう。
ステップ3:各種代表的な事例・擾乱の基礎知識学習
使用テキスト:【スッキリ】or【よくわかる気象学】
実技試験では各回ごとに1つのテーマに沿って問題が作られる。
例)温帯低気圧・台風・寒冷低気圧・ポーラーロウ等
【スッキリ(よくわかる気象学)】では実技試験で頻出の擾乱や事例のそれぞれを解説してくれていて非常にわかりやすい。
【らくらく】では、各種事例解説はなく、各種事例の解説を兼ねてオリジナルの実践問題をつくってくれているので、まずは【スッキリ】でしっかり各擾乱、事例の学習をしてせっかくのオリジナル問題は、実践対策まで残しておこう。
しかも【スッキリ(よくわかる気象学)】では各擾乱・テーマごとの巻末に簡単な練習問題と解説もつけてくれており、大変よい構成となっている。
ステップ4:実技試験の解答・記述のコツ。採点基準の理解
使用テキスト:【らくらく】
ここまでくると、一通り実技試験で必要な知識のインプットが中心だったが、アウトプットの練習も進めていかなければいけない。
このステップでは【実技試験で点を取るための】アウトプットの方法・ノウハウ・コツを理解する。
【スッキリ】では、あまいここに関しては触れられていない。過去問の解説から学んでくれということなのだろう。
しかし【らくらく】には詳細がまとめられている、過去の受験生や合格者のデータ追跡などもしてくれており、信ぴょう性の問題ない。
独学者は特に【客観的に採点をしてくれる人】がいないので【自分の回答・記述が正しいかどうか】など判定・修正してもらえる機会がほとんどなく、自分で正しい判断基準を養わないといけない。
そのためにこの【らくらく】のまとめは非常に役に立った。是非しっかり読み込んだうえで実践対策に当たろう。
ステップ5:作図・前線解析等の学習
使用テキスト:【スッキリ(よくわかる気象学)・らくらく両方】
各図表の読み解き方、各擾乱の基礎や採点基準がわかってくるとついに作図ができるようになってくる。
実技試験では作図も様々なものが出題される。
ここはステップ2と同じくそれぞれのテキストに良い点がある&作図対策はページ数がほかの項目より少なめなので、両方のテキストをつかって対策してほしい。
【スッキリ】:とっつきやすく、図解がわかりやすい。まずはこちらからやってみるのがよいだろう。
【らくらく】:やはり詳細な解説や、細かい知識なども載っている。【スッキリ】で一通り把握し、【らくらく】で細やかなところを補強する形がおすすめだ。
ステップ6:巻末の暗記事項
使用テキスト:【スッキリ(らくらくでも良い)】
実践対策最後は巻末の暗記事項の最終確認だ。
実技試験合格・完答に必要な8要素と対策の全て【前半】でも述べたが純粋な暗記・知識問題も出題される。
実践対策に取り掛かる前に、巻末の暗記事項の最終確認をしておこう。
テキストはどちらでもよい、見やすさや使いやすさに合わせて選ぼう。
特徴としては
【スッキリ】実技で出題される知識問題・穴埋め問題に回答するための暗記事項のみ。見やすい。
【らくらく】暗記事項に加え、実技試験受験に当たって覚えておくと便利・活用できる基礎知識などもより詳細にまとめてくれている。
【スッキリ】である程度暗記したら、実践対策に移ってみて、実践対策の復習をしながら、参考になる情報がないかを【らくらく】でチェックする、いい情報があれば取り入れる。
みたいな流れか
最初から【らくらく】をがっつり覚える。
どちらかの流れでよいかと思う。
ステップ7:実践対策
最低限ここまで準備して、実践対策に取り組んでもらいたい。
過去問や模擬試験は1回でも多く【なるべく本番とおなじ状態】で演習したい。
実践対策で養わないといけないことや矯正しなければいけないことがやまほどある。
最低限の知識すら欠落した状態・準備不足の状態で実践対策に臨むと、自身の正確な実力や解答速度が図れずに演習の効果が薄れてしまうのだ。
読者のみんなはやみくもに実践対策に時間と問題、お金を浪費してしまう前に、きちんと準備してほしい。
実践対策に関してはまた次の機会にまとめます。
まだ紹介テキスト未購入の方は、良ければリンクより購入検討してみてください!!
1.【読んでスッキリ!解いてスッキリ!気象予報士実技試験合格テキスト&問題集】
編集・著作:気象予報士試験対策研究会 出版:ナツメ社
2022年9月現在、この記事で紹介しているテキスト【解いてスッキリ!実技編】は品薄状態で定価でなかなか手に入りません。同様の効果が期待できる実技テキストが【よくわかる気象学~実技編~】です。以下にそちらのテキストの紹介記事も載せているので気になる方はそちらもチェックしてみてください!
※1.【よくわかる気象学~実技編~】(解いてスッキリの代替テキスト)
編集・著作:中島俊夫 出版:ナツメ社
-
【独学合格必須テキスト】~よくわかる気象学《実技編》~の感想・レビュー記事【気象予報士試験おすすめ参考書】
よくわかる気象学実技編のレビュー記事です!
2.【らくらく突破 気象予報士簡単合格テキスト実技編】
著作:気象予報士試験受験支援会 出版:技術評論社