こんにちは、そら坊です。今回は久々に実技試験の学習方法に関しての記事です。
【たくさん過去問演習をして模範解答を覚えて】もなかなか点数が取れない・実技の壁を超えられない・時間内に解き終わらない受験生はいませんか?そんな方々に向けての記事です!
あとは、これから実技試験対策を始めようとしている受験生にも是非読んでほしいです!
実技試験対策ってアウトプットだけだと思っていませんか?
結論から書きます!【実技試験得点率】=【演習の量】×【演習の質】×【基礎力】です
少し長くなるかもしれないので、まずは結論から書きます。
【実技試験得点率】=【演習量】×【基礎力】だと考えてます。
なので【基礎】がしっかりしてても【演習量不足】であれば得点は取れませんし
逆に【数だけ・量だけ】こなしても【基礎・土台を固めていなければ対策ではなくただの作業】になってしまいます。
今回は【実技試験の基礎力】に関しての話です。
とにかく過去問を解け!というのは半分正解で半分間違い
みなさんはこんなフレーズを見たことないでしょうか?
実技の過去問を10年分5周しました!
実技はとにかく過去問を解きましょう!
模範解答を暗記するくらいやり込みましょう。
ええ、決して間違っているとは思いませんし、正しいです。
ですが、このフレーズを鵜呑みにしてはいけません。
彼らの言葉の行間を読まなければいけません。正しくはこうです。
(基礎をきちんと学習して定着させたうえで)実技の過去問を10年分5周しました!
実技はとにかく過去問を解きましょう!
(基礎学習は当たり前だから敢えてかかなくてもいいや)
模範解答を暗記するくらいやり込みましょう。
(基礎学習をしたうえで、模範解答のフレーズをしっかり暗記しましょう)
合格者にとって【基礎固めをしている】というのは【あえて触れる必要のない大前提】であり、そのうえで【演習量が重要】と言っているのです。
あとは【〘意識的に〙基礎学習をした覚え】がなくても【しっかりと演習ごとに復習を行ったおかげで〘自然と〙基礎が身についていた】というようなパターンもあるでしょうね。
ただ過去問を解けばいいだけではない
どちらにしても、当たり前ですがただ解けばいい・覚えればいいだけではありません。
が、上記のような体験談や対策方法を表面的に受け取ってしまい【ただ数をこなすだけの過去問演習】になってしまっては全く意味がありません。
別の記事で復習を丁寧に行いましょうとまとめたことがあります。以下を参照ください。
上の記事にもまとめていますが、僕自身は実技の過去問演習を第28回ぐらいから第52回までの2周しかしていません。しかも累計2周です。2度実技を受験しましたが、1度の受験につき1周のみです。
自慢とかではなく、おそらく演習回数としては少ない部類に入ります。それでもきちんと合格できています。
ですが、今回は更にそれよりも前の段階に関する話となります!
それはないがしろにされがちな【実技試験のインプット学習に関して】です。
実技の基礎力不足とは?
こんな受験生は【実技の基礎力不足】です!
聞こえてきますよ…
【実技の基礎力不足って何?】って聞こえてきます。僕、地獄耳なんですよ。
以下に具体例を示します。
こんな受験生は【基礎力が不足している可能性が高い】です。
【初見の問題に歯が立たない】
【時間内に解ききれたことがない】
【問題文や天気図を見た瞬間に回答をイメージできない】
これらに当てはまる受験生は、実技試験の基礎力が足りていません。
実技試験って【図や表から根拠を読み取って文章を作って記述】するって思ってませんか?
違います。逆です。
【先に問題から正答をイメージ➡図や表からそれが正しいという根拠を見つけて採点者に突き付けるために記述する】のが正しい順番です。
合格できる受験生とできない受験生の違い
合格ライン上にいる受験生の解答プロセスはこんな感じです。
この時期のこの擾乱でこの天気図や予想図からの出題となると
多分【あれ】や【あれ】について記述させられるだろうな…
⇩
やっぱり【あれ】か…
⇩
【あれ】をこの文字数なら【こう】書かなきゃな
たぶん【あの天気図】の【ここら辺】に【あの】根拠があるはずだ
⇩
よし、あったからこれを材料にして記述しよう。
逆にまだまだ合格を争えないレベルの受験生だと以下のようになっていることが多いです。
問題文を読む
⇩
天気図のどこを見ればいいの?
これを使えばいいのかな?あれも使えそうだけど…
⇩
あれ、書いてみたけど字数が足りない/多すぎるな
本当にこれであってるのかな…
⇩
何とか書きあげたけど全然自信ないな
書き上げたけどめっちゃ時間かかったな
着眼点が全然違ってたな
前者の中でも、より【多くの事例に対して】・【瞬発的に】・【高精度で】解答をイメージできる猛者たちが【栄えある合格者】となるのです。
後者の状況に陥ってしまうことの多い受験生は、残念ながらまだまだ合格が遠いと言わざるを得ません。
では、どうすれば前者のようになれるのか…が肝心ですよね
【基礎力】を養い問題の本質・採点者の意図を見極める
気象現象は不確定要素が多く、マクロからミクロまで様々な要素が絡み合う現象です。
が【それぞれの事例・擾乱においての王道パターンはあります。】
実技試験で用いられる事例は【ほとんどがこの王道パターンに則った事例が使われています。】
たまに、レアなケースが出題されると【難問・奇問】と言われたりします。
が、そんな【難問・奇問】も1つの事例の中の1問あるかないかです。
基本的に扱われる事例のテーマ・本筋は非常に王道的なものとなっています。
めったに起こらない気象現象の予測よりも、頻繁に起こる日常的な気象予測ができるかどうかを問われるのは至極当然ですね。
【代表的な事例・擾乱】の基礎を固めることで出題者の意図が見えてくる
実技試験に出題され得る代表的擾乱・事例
2021年現在、日本付近で発生する擾乱で、名前が付けられており、実技試験で出題されるスケールのものといえばせいぜい10個前後です。
- 温帯低気圧
- 日本海低気圧
- 南岸低気圧
- 二つ玉低気圧
- 寒冷低気圧
- ポーラーロウ
- 北東気流
- 梅雨型
- 冬型
- 梅雨前線
- 沿岸前線
- 太平洋高気圧の縁辺流
- 台風・熱帯低気圧
- 大雪
- 日本海側
- 山雪型
- 里雪型
- JPCZ
- 太平洋側
- 日本海側
ここらへんです。
各擾乱の名前を見た瞬間に【どんな出題がされそうか】【どんな高層天気図が用いられそうか】【セットで出題されそうな気象災害・警報や注意報は何か】が瞬発的に出てこないといけません。
それができている受験生は【基礎力は十分です】あとは、過去問演習を頑張りましょう。
逆に浮かばなかった受験生は【基礎力不足】です。改めて各擾乱やテーマの基礎学習を行いましょう。
では、どうすれば【基礎力が磨ける】のでしょうか…
【実技試験の基礎力】をつける方法
【過去問演習】よりも【テキスト学習】で基礎力をつけたい
過去問演習をしっかり行い、その復習をすることで【基礎力をつけることは可能】です。
しかし、気象予報士試験において【過去問】は非常に希少です。気象だけにね…(ボソッ)
試験本番では初見の事例を分析して合格点を取らないといけません。
なので初見の実技試験問題は試験直前の自身の力量を適切に測るためにできる限り解かずに保管しておくべきです。
過去問をもう5周して覚えきってしまって、何を使って対策すればいいかわからない。
という受験生も決して少なくありません。それだけ【過去問は希少】だと心得ましょう。
僕自身も、テキスト学習で【実技の基礎力を磨きました】
【実技の基礎力養成】に特化したおすすめ実技テキスト
【読んでスッキリ!解いてスッキリ!気象予報士合格テキスト】
僕が実際に愛用していた実技テキストで【実技の基礎力養成】ができます。
そのテキストが
【読んでスッキリ!解いてスッキリ!気象予報士合格テキスト】
です。
このテキストでは前半に【上記の9種それぞれの擾乱における基礎知識や定番問題】に関してまとめられており、後半では【気象現象別に12題の過去問とその詳細な解説】が収録されています。
【各擾乱や現象、事例ごと】の【基礎・王道】を学ぶのに非常に適したテキスト構成です。
以前このテキストの詳細をまとめた記事を作成しています。下にリンクを貼っているので気になる方はチェックしてみてくださいね。
基礎を固めた後は【基礎の使い方】を学ぶべし
でも、皆さんご存じのように【基礎を学ぶ】だけでは【実技試験合格】はできません。
【基礎の使い方】・【解答用紙への落とし込み方】という【技術・テクニック】を学ぶ必要もあります。
気象予報士実技試験において過去問演習は絶対
記述・作図問題など明確な採点基準がなく、気象学独特の言い回しや回答のルールがある【実技試験】において
過去問は絶対
です。
1題でも多く過去問を解き、採点者に気に入られる記述と作図がどれだけスピーディーにできるようになるか…が合格の境目です。
そのせいで、この記事の最初で述べた【とりあえず数だけこなせ】という悪習が広まってしまった感はありますが…
もう一度言いますが【演習量はもちろん必要】です。
ただし当然ですが、ただやればいいわけではありません。正しい復習が必要です。
正しい復習とは【模範解答】と【自己の解答】との【間違い探し】を【どこまで突き詰めて行えるか】にかかってきます。
言い回し・フレーズ・単語・語尾・主語・地名・漢字・単位など…1つの記述問題の中だけでも、様々な要素を吟味し選択して模範解答との差を限りなく0にしていく作業となります。
- 公式の模範解答がなぜそのフレーズを使ったのか
- この言い回しを使わないor使えない理由はなぜなのか
- どんな考え方でそこに着目すべきだったのか…等
を、模範解答と解説からきちんと理解し、自身の感覚との間にあるズレを修正していく必要があります。
そのため、そもそもの羅針盤である【模範解答】が試験本番に即してないと正しく復習ができません。だから【実技試験対策】において【過去問演習】が絶対とされています。
上記が過去問演習を繰り返す理由です。
このすり合わせのために、受験生は何度も何度も過去問を解き解説とにらめっこし四苦八苦することになります。
ただし、この【すり合わせ】がことのほか難しいです。
特に客観的な意見・アドバイスのもらえない独学受験生はなおさらです。
僕が実際に使っていたもう1冊の実技テキストが、この【テクニカル的要素】を教えてくれ、大変重宝したので紹介します。
【記述・作図のコツ】【表現のルール】などの解答テクニックを学ぶ実技テキスト
らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト
そのテキストがこちらです。
学科シリーズのテキストも出版している、おなじみ【らくらく突破】の実技編です。
僕は先ほど紹介した【解いてスッキリ!】と、この【らくらく突破】の2冊の実技テキスト&過去問演習で完全独学合格できました!
このテキストでは、序盤で
- 実技試験対策を始めるにあたっての心構えや基本的な試験の構成・内容に関する紹介
- 図表読み取りのための必須暗記事項のまとめ
- 実技試験で用いられる各種天気図・予想図・高層天気図・波浪図・衛星画像等の紹介と着眼点
- 記述問題の採点基準や記述・論述のセオリーや注意点に関するまとめ
- 作図や前線・強風軸解析におけるセオリーや定石、注意点に関して
など特に【実技試験を解くためのテクニカル的要素】に関して非常に手厚く解説してくれています。
これを知っているか知らないかが、後々の学習効率に大きく影響してきます。
【過去問演習を何度か行ううち】に身に着けられる可能性もありますが【身につかないor変な癖がついて身についてしまう】危険性もあります。
そのうえ【正しく身についた】としてもそのために過去問を浪費してしまうので、【最初から】正しく教えてもらった方が何倍もよい】です。
独学受験生やこれから実技対策を始める受験生は、是非このテキストの購入を検討してください。
例のごとく【らくらく突破】の詳細記事をまとめているので、気になる方は以下のリンクボタンからチェックしてみてくださいね
過去問演習はここまでやってからでも遅くない
演習効果・学習効率を最大限に引き上げるための【基礎学習】
改めて【実技試験合格のため】に【演習量】は必要不可欠です。
ただし【ただ数をこなす】【ただ模範解答を暗記する】だけの過去問演習は【力技】であり【非効率】です。
【基礎をしっかり固めること】で【より少ない演習回数・演習量】で【着実な成果】を出し【合格する】ことは可能です。
冒頭で述べた【実技試験得点率】=【演習の量】×【演習の質】×【基礎力】です。
僕は【演習の質(復習の質)を高め】・【基礎をきちんと理解する】ことで【演習量を最小限に抑える】ことができました。
ただこなすだけの過去問演習は絶対にしんどいですし、時間も体力もめちゃくちゃに削られてしまうでしょう。
この記事を読んで基礎力不足に心当たりのある受験生やこれから実技対策を始める受験生は、是非【実技の基礎力向上】に目を向けてみてくださいね。
以下に、この記事で紹介したテキストの商品リンクと、各テキストの紹介記事のリンクを再掲しておきます。
あと、この2冊のテキストを実際にどう使っていけばいいかのまとめ記事もあるのでそれも載せておきますね。
ご精読有難うございました。