【あと10分あれば…】と思う全ての実技受験生へ
実技を75分で解き終わる。試験テクニックと時間配分・節約対策
時間内に実技試験を解き終わるための8要素~1分1秒を稼ぐ~
前回の続きです。前半では4大出題形式を各要素として【問題を解くための】対策方法をまとめています。
後半では、【問題を解くため】に必要な要素ではなく、解けた問題を余すところなく【解答用紙に記入するための】より技術的・テクニカルな要素のまとめ・解説です。1分1秒を節約しよう。
8要素概要
再度8要素の概要を示す。このページでは後半の4要素である、要素5~要素8までの解説である。
前半の4要素は本ページ冒頭のリンクより実技試験合格・完答に必要な8要素と対策の全て【前半】へ飛んでほしい。
実力を解答用紙に反映させるための試験テクニック4要素
解けた問題も、解答用紙に・時間内に記入して初めて得点となる。
前半4要素は【問題を解くため】の要素だが、後半は【解けた問題を解答用紙に記入する】ための要素4つとなる。繰り返し述べるが、実技試験の問題量に対して75分という出題時間はあまりにも短い。本当にあっという間である。その限られた回答時間の中で、1問でも多く解き、1文字でも多く解答用紙に書き込まなければいけない。問題を解く実力を養った後は【その実力を100%解答用紙上で表現するテクニック・戦略】が必要だ。そのテクニック・戦略は後半の4要素を訓練することで磨かれていく。
【あと10分あれば…】の10分は訓練で稼げる。
要素5【文房具・文具の使い方特訓】自分の一部になるまで馴染ませる
冗談抜きで実技試験は1秒の節約が大事になってくる。削れなかった1秒で半年分の準備と受験料・時間が無駄になることがあると心しておこう。
シャープペンシルは鉛筆、消しゴムはもちろん、マーカー・色鉛筆・コンパス・ディバイダー・定規・トレーシングペーパー・クリップ等合格に欠かせないアイテムを自分の手になじませ、自分に合ったアイテムをしっかり見つける必要がある。各アイテムの活用法やおすすめアイテム、選び方は、また別ページでまとめるので少しお待ちください。
簡単によく利用するアイテムに関して、実践対策中に見つけてほしいアイテムの使い方と各アイテムの選び方の参考項目を挙げておく。
- シャープペンシル…長時間の筆記でも疲れない・芯が折れにくい・芯交換しやすい等
- シャープペンシルの芯…自身の筆圧に合うか・軽い力で消せるがしっかり読める濃さの両立・折れにくい等
- 鉛筆…削りやすさ・芯の折れにくさ・持ちやすさ・滑りにくさ等
- 鉛筆削り器…削りやすいか・音が出ないか・いざというときに壊れないか・手や用紙が汚れないか等
- 消しゴム…軽く消せるか・解答用紙の汚れないか・消しカスが邪魔になるか・折れないか・微修正可能か等
- 定規…図れる最小単位・図と重ねた時の目盛りの見易さ・滑らないか・長短用意し使い分けられるか等
- マーカー・色鉛筆…自分に必要な色かどうか・どの場面でどう使うのかの整理ができているか等
- コンパス・ディバイダー…針や芯がブレずに書けるか・小さいサイズの円もかけるか・開閉のしやすさ等
- トレーシングペーパー…自分なりの使い方【4分割におる・最初にどの部分を使うか等】を決める等
- クリップ…留めやすさ・留める場所・折り返した際に邪魔かどうか・図表のまとめ方のルール決め等
まずは上記項目を参考に・自分が最大限の時間効率で記述・回答記入できるアイテムを見つけ、且つなんども繰り返しいろいろな方法を試して
自分にとって一番の使い方・アイテムの机上での配置・使い方のルールのテンプレート
をつくっておこう。個人差はあるがそれで1分~2分は節約できるはずだ。
要素6【筆記にてこずらない特訓。】実技試験は国語の試験
実技試験は国語の試験
よくそのように揶揄される理由の一つが記述量・記述問題の多さだ。
一回の試験でおおよそ原稿用紙1枚分の作文をすることになる。なので至極シンプルで申し訳ないが
どれだけ早く正確に文字をかけるか
という訓練も怠ってはいけない。
訓練すべき【書くスキル】の【各スキル】
では具体的に【書く】ことのどこに意識していけば時間短縮につながるのか。
- 丁寧に書く…時間内に【採点者の読める字を】を書く訓練。
- 早く書く…丁寧に書いたうえで【最速スピードで】書く訓練。
- 正しく書く…どれだけ正しい記述も誤字・脱字は減点となる。頻出用語でややこしい漢字はさほど多くないので、本番で悩まず正しく書くことで、きちんと点を取り時間を浪費しないため、苦手な漢字・用語は反復して何度も書いて訓練しよう。
- 記述の過不足をなくす…与えられた文字数で【過不足なく要点を抽出しまとめる力】を身に着ける。30マスしかない問題に60字の回答をしようとしてもマスが足りずに書ききれない。書ききれず文章を修正する時間は大変無駄だ。一発で適切な字数内に収めた回答文が作成できるように、日々実践対策の中で意識しよう。解答用紙に記入する前に、脳内で自分の回答文が字数内に収まるか即イメージできるレベルにまでもっていきたい。慣れないうちは問題用紙に走り書きで下書きなどして字数のチェックを迅速に行い解答用紙に記入するなどでもよい。
【消す・修正する】は最大の無駄だと心得よ。~消しゴムを使うな❕❕~
かなりの無理難題ではあるが試験では一度も消しゴムを使わない意識で臨みたい。
実技試験において
【消す】という行為は最大の無駄となる。
時間も手間も余計にかかってしまう。消しゴムを使う時間を削れる分がそのまま回答記入と問題考察のための時間に直結すると考えよう。
とはいっても正直一度も使わないのは無理な話だ。消す時も以下を意識して消す訓練をしておこう。消す時間を最小限にしたい。
- 早く消す…軽い力で、何度もこすらずに、消しゴムもおらずに消せるように日々意識しよう。
- 一部のみ消す…記述問題の一部の文字や表現、作図の細かい部分など、一部のみ修正がしたいときに微修正ができるアイテム選びと、消したい部分だけ消すためにアイテムを使いこなせるようにしておこう。
- きれいに消す…解答用紙が汚れるような消し方・消しカスが机上に散らかり回答記入の妨げになるような消し方は論外だ。アイテム選びと消しカス処理もしっかり考えておこう。
書くことと消すことの無駄を最大限に省ければ3~5分は短縮できるはずだ。
要素7【配点バランスと部分点等の採点基準の理解】
75分で最大限の得点をするために試験を深く知る。悩むかどうかで悩むな❕❕
試験最中は【残された時間】と【残された問題数】を常に意識の片隅に置きながら回答を進めることになる。何も考えずに解いて75分で解き終わる受験生などほとんどいないはずだ。
残された時間の中で最大の得点をするために、【どの問題にどれだけの時間を使っていいのか】を考え、考察に時間を使うか考察せずに一旦飛ばすかなどの判断に何度も迫られる。
その際に、【各問題の試験全体に対しての比重】言い換えれば【満点中の何点がその問題に配点されているか】がわかっていなければ適切な判断ができなくなる。
記述式・作図式の問題が多く、正確な細かい配点基準も公開されていない試験なので、ないがしろにする受験生も多いと思うが、日々の実践対策の中で、【各問題に対しての配点・部分点等の採点基準】がどのようになっているか理解を深めていく訓練をしてほしい。
そのために何をするかだが、実践対策の際に毎回必ず
できる限り正確で細かい自己採点
を心掛けてほしい。
自身の回答と模範解答・解説に向き合い、本番で採点者に採点されたときに何点をつけてもらえるのかをきちんと意識しながら、おおざっぱではなく細かく自己採点を行おう。
そうすることで、「記述問題の文字数」「使ったキーワードの数」「大問の中での出題のされ方」「作図に与えられたデータ量」などからおおよその配点が見えてくる。試験中に細かく配点を考える必要はないが、パッと問題を見て「これは配点低そうだから飛ばそう」「ここは配点高いから少しだけ多めに時間を使おう」など、即座に決められるようになればいい。
【悩むかどうかを悩む】
ことだけは絶対にやめよう。
正確な自己採点を行うためには自身の回答と模範解答を細かく見比べる習慣にもつながるので、自身の記述問題での回答精度も上がってくるというおまけつきだ。
これができてくると、時間配分のロスがなくなり、1~2分ほどの無駄を省け、記述問題の精度もあがり点数の上乗せも可能だ。
要素8【完璧な時間配分・時間感覚・適切な取捨選択】を身に着ける
要素7をもとに75分で最大の得点が取れる解答用紙を提出する。
最後の仕上げはどんな資格試験でも共通のことだ。制限時間内でできれば完答を目指す、難しければ合格点が越えるように時間と問題数のバランスを考えながら解いていく自分なりの時間配分や時間感覚を身に着ける。
これはもう
実践あるのみだ。
実践対策の際も常に75分という制限時間を意識し、時間経過に対してどこまで回答できているか、プラン通りのペースで進んでいるか、遅れているのか、何分たったかなどなど、回答しながら時間を常に意識することで自然と時間間隔が養われてくる。
また自分のなかでルールを決めるとよい。
僕は時間の使い方や解答順に関しては大きく5つのルールを作っていた。
- 原則、最初から最後に向かって順に解く。回答順の変更は試験中に必要が出た時のみ行う。
- 最初に解答用紙4枚をすべて見て、穴埋め問題の場所、記述問題の量、どんな作図問題が出そうか、どんな事例・テーマの出題になりそうかチェック。
- 最初の大問1の穴埋めは3~4分で終わらせる。
- 2枚目の解答用紙が全て埋まった時点で残り時間が35~40分残せているようなペースを基準にする。そのため2枚目終了時は必ず時計を確認する。
- ラスト15分になった時にまだ、最後の大問に入れていないときは最後の大問を一通りチェックして回答の優先度を判断する。
毎回、出題傾向や記述量、大問構成、難易度がバラバラな試験なのであまり細かいルールは立てられないが、最低限時間の使い方に関して大まかな目安や基準を作っておくと、どんな問題が出題されても柔軟に対応し安定して合格点を取れるようになるはずだ。
こういった、細かいが大事なルールやルーティーンも後々具体的に紹介していくので是非参考にしてほしい。
またまた長くなってしまったが、以上が実技試験を時間内に解くための8要素である。
是非参考にしていただき、実技試験を乗り切ってもらえると嬉しい。