オカヤマンとそら坊の出会いは以下の記事から!
オカヤマンは一般知識過去問演習真っ最中
まずは一般知識試験を合格基準へ
オカヤマンの目標は【免除科目なし】からの【第56回試験完全合格】です。
半年で一般知識・専門知識・実技全てを合格基準に引き上げなければいけないと考えると、どうしても全部バランスよく頑張らなきゃ!と感じてしまうのですが、それは必ずしも正解ではありません。
勉強方法は人と試験によりけりなので、一概に正解・不正解とは言えません。
が、気象予報士試験に関しては、全部いっぺんに学習するのは悪手だと思っています。
学科試験両科目で学ぶ内容をきちんと成熟させていないと、実技試験で合格点を取るのはかなり難しいです。
学科~実技までの範囲はただでさえ膨大です、全部を並行してすすめようとするとどうしても注意が散漫になってしまいます。
すると、表面的な理解にとどまってしまい、結局どの科目も実際の試験で点が取れるレベルまで達せずに本番を迎えるということになりかねません。
なので、まずは【一科目ずつ極める】方針でオカヤマンには学習を進めてもらっています。
第3回指導~一般知識試験過去問演習~
第2回指導の翌日が第3回指導となりました。
今回は、解いてもらった過去問の復習の続きをすることになりました。
第45回の半分と第50回試験の前半の解説を行いました。
指導内容:第45回・第50回一般知識試験過去問演習指導
第3回の指導では、第45回一般試験の問7~問15までの指導・解説と第50回一般試験の問1・2の指導・解説をおこないました。
本記事では以下の問題に関してまとめてます。
第45回一般知識試験
- 問7➡大気の流入・流出量に関して
- 問8➡地球の南北熱輸送に関して(図は割愛)
第50回一般知識試験
- 問2➡温位・相当温位の比較問題
他の問題は知っているかどうか・暗記できているかどうかがメインとなり、解き方や試験テクニックの紹介があまりできないので割愛します。
※第45回問8で使われいている図は【一般気象学】から引用されており、著作権の関係でサイトに使うことができないので図は割愛します。
ということで、指導内容に入っていきます。
第45回一般知識試験
問7:空気の流入と流出に関して
問題文から【題意】を読み解く
まず、問題文をきちんと読み【題意】を読み解きましょう。以下に問題を貼ります。
当たり前のように聞こえますが、重要なことです。
長い問題文に、様々な条件や未知数・ラテン文字などを盛り込まれると【何を問われているのか】を見失ってしまい、的外れな解答をしてしまったり、大切なヒントを見落としてしまうことがあります。
以上が問題でした。
試験本番では…
この問題で何を求められているか?
と
この問題を解くための条件・ヒント
を見つけなければいけません。
・求められているものは2つ
・条件・ヒントは6つ
あります。
全てみつけられますか?
きちんと問題文と図を読み解き、題意を理解する力があるか是非試してみて下さい。
以下に答えを書いています。
どうでしたか?ではまとめますね。
まず、今回の問題で求められているもの2つは
①【立方体側面から入ってくる空気の量】
②【立方体上面から空気が出ていくときの風速】
でした。
そして与えられたヒント・条件は以下です。
①一辺の長さがLの立方体
②4つの側面から空気が流入してくる
③流入時の風速はすべての入り口でVとする
④流出は上面の1面からのみで下面からの流出はなし
⑤立方体内の大気の質量は時間によって変化しない=一定
⑥上面:側面:下面の空気の密度比が4:5:6
大丈夫でしたか?
問題文を読んで、これらをスムーズに脳内で整理できないと問題は解けません。
では、①の答えを求めていきましょう。
以下では…
・問7の考え方及び解説と考え方を凝縮し問題文にエッセンスを加筆した画像
・問8の子午面循環の各選択肢(a)(b)を図を使わずに解く考え方
・第50回一般知識試験問2の考え方が分かる【そら坊のnote記事】を紹介しています。
気になる方はチェックしてみてくださいね。
①【立方体側面から入ってくる空気の量】
では、まず①から考えましょう。
単位時間に流入する空気の量は次の条件に依存します。
- 入り口の広さ
- 側面の面積が広ければ広いほど1秒間にたくさんの空気が流入できます➡側面積
- 入り口の数
- 流入する面が多いほど、1秒でたくさんの空気が流入できます➡面の数
- 入り口を通過する早さ
- 空気の侵入速度が早いほど1秒間で多くの空気が流入します➡これが風速
- 入り口を通過してくるときの量・密度
- 凝縮されたコンパクトな空気ほど、限られた広さの入り口からより多く流入できます➡空気密度
と、いうことで(側面積)L2×(側面の数)4×(速さ)V×密度ρの掛け算により
4VρL2が(a)の正解となります。
全然難しくないですね。
②【立方体側面から入ってくる空気の量】
続いて②です。
ここは、各種ヒントを元に気づかないといけないことがあります。
それは【側面からの流入量=上面からの流出量】ということです。
ヒント⑤の立方体内の大気の質量は時間によって変化しない=一定というのが根拠です。
これに気づいてしまえばあとは簡単です。
側面からの流入量である【4VρL2】と上面からの流出量がイコールであるということです。
流出量を①と同じプロセスで求めます。
- 入り口の広さ
- 上面の面積➡L2
- 入り口の数
- 上面のみ1面
- 入り口を通過する早さ
- 求めたい答え(ここではVxとします)
- 入り口を通過してくるときの量・密度
- 側面からの流入密度の面積がρだったので、ρ1とします
1~4を元に計算すると流出量は【L2ρ1Vⅹ】となります。
流出量と流入量は等しく
【4VρL2】=【L2ρ1Vⅹ】が成り立ちます。
ここで、ヒント⑥上面:側面:下面の空気の密度比が4:5:6が使えます。
側面の空気密度を5としたとき、上面の空気密度は4です。
つまり、ρ=5とすれば、ρ1=4ということです。
ρ=5とρ1=4を【4VρL2】=【L2ρ1Vⅹ】に代入すると
20VL2=4L2Vⅹ となります。
Vⅹ=5Vが求められるというわけですね。
そら坊加筆レジュメ
ではレジュメです!
上の一枚のイラストに凝縮しているので、それを見ていただければ大体が解決できると思います。
問8:子午面循環と南北熱輸送に関して
この問題で使われている図は【一般気象学】からの転用のため、当サイトでは扱うことができないため、問題文のみ貼り付けとなります。ご容赦ください。
改めて以下が問題文です。
上記が問題文です。
実はこれ、図がなくても(a)と(b)は正誤が分かってしまいます。
(a)で舞台となっている20°以下の低緯度地域では【ハドレー循環】が発生しています。
ハドレー循環は【亜熱帯高圧帯】に吹き降りた風が赤道側に流れていく循環です。
流れ込む先を【熱帯収束帯】と言ったりもしますね。
低緯度地域から赤道側に大気の輸送が発生しています。なので、潜熱もその方向(赤道側)に輸送されているはずです。なので、中緯度側に輸送されるという(a)は誤となります。
(b)は中緯度帯の話です。
中緯度帯の南北の熱輸送の主要因が【中緯度帯の子午面循環】によって引き起こされているという文章です。
これも、学んだ知識を使えば決して難しくはありません。
中緯度帯の南北の温度傾度を解消するために生じる現象って聞いたことがありませんか?
そうです、温帯低気圧です。
中緯度帯の南北への熱輸送は、温帯低気圧の発生と解消によるものがメインです。
図に惑わされず、持っている知識をきちんと活用できれば決して難しい問題ではありませんでした。
第50回一般知識試験
問2:温位と相当温位の関係に関して
みんな苦手な温位に関しての問題です!
まずは問題文をチェックしてみましょう!
上記のように4つの空気塊の温位・相当温位を比べる問題となっています。
温位と相当温位は【空気塊を持ち上げたり下降させたり、潜熱を考慮したりしなかったり】と、どうしても難しく考えてしまいがちです。
が、実は非常にシンプルな概念なんです。
この問題は、その【温位と相当温位のイメージ】をきちんと理解できているか?が問われる問題でした。
しっかりイメージでとらえることができていれば、複雑な計算や、空気塊の上げ下げを考えなくてもスピーディーに解けます。誇張抜きで1分もあれば解答を導けます。
逆に、温位・相当温位のイメージが曖昧な受験生は、複雑でややこしいプロセスで解を求めなくてはいけず、正解できたとしても時間が非常にかかってしまったり、正解出来ないという事態に陥ると思います。
もし、この問題の回答に2分以上の時間がかかってしまう受験生や、正答出来ない受験生は、温位・相当温位の理解が不十分です。
是非復習を行いましょう!
とはいっても、文系受験生や独学受験生は、気象学独特の温位や相当温位などの聞きなれない概念を正確に理解することは難しいと思います。
僕も非常に苦戦しました。
でも、大丈夫です。
僕も全く同じ状態から【テキストの読み込み・実践問題対策・日本語からのイメージの醸成】
のみで、温位・相当温位を理解・イメージすることができました。
もし、一人でそのイメージ・理解に行きつける自信がない方や、そんな試行錯誤する手間がもったいない方は、そら坊なりの【温位と相当温位】をイメージをnote記事にまとめています。200円で公開していますので、気になる受験生は、是非以下のnote記事まで飛んでみてくださいね。
そら坊の個人指導が気になる方
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