僕の学習開始から合格までを記憶の範囲で細かく記載していく。スケジュール感や合格までの過程を参考にしてみてほしい。できれば1ページにまとめたかったが、長くなるので実技試験対策をスタートしてから初回受験までを1ページとする。
失敗談や成功談、いろいろ載せているので、受験生みんなの今後の学習計画の参考にしてほしい。
学科試験編前編はこちら➡【気象知識0から】学科試験合格までのスケジュール(前半)
学科試験編後編はこちら➡【気象知識0から】学科試験合格までのスケジュール(後半)
2019年1月~当初の目標は半年で一発合格~
日々の天気予報も見ず、「濡れるなら濡れてしまえ。」と雨の度に天然のシャワーを浴びていた僕が気象予報士受験を意識したのは2019年1月のことだ。
夢を持ちフリーターとして上京してきて4年が過ぎようとしていたが、大きな成果や足がかりの掴めていなかった僕が、勉強という特技を使って武器を作れないか考えたところ、気象予報士という資格に辿り着いた。夢を叶えるためにフリーターをしているため、一日でも早く気象予報士になりたかった。時間は確保出来なくはなかったが、如何せん費用はかけられない。ネットで検索するとどの講座も対策も合計10万も20万もかかるものばかりだった。向いているかわからないチャレンジにその初期投資はしんどい、でも一日でも早く合格しなきゃ意味が無いと思った末に
【半年で独学で理系素養・気象知識0からの一発合格】
を余儀なくされたのだ。(なので、費用にゆとりがある人は各講座を利用することをオススメする。特に実技試験の論述問題などは、客観的に添削と訂正をしてくれる第三者の存在はかなり大きい。)
2019年3月から5月まで~学科試験対策中~
ここでは、学科試験編で述べたように学科試験テキストをつかって学科試験対策に取り組んでいった。
ここは割愛する。
2019年6月~実技試験対策の開始~
合格までの見通しとスケジュール
当初独学一発合格のために、当初にたてた合格スケジュールは以下である。
一般知識 | 専門知識 | 実技学習 | |
4月 | テキスト読了 | ||
5月 | 復習 | テキスト読了 | |
6月 | 復習と過去問 | 復習と過去問 | テキスト読了 |
7月 | 同上 | 同上 | 過去問 |
8月 | 弱点復習 | 弱点復習 | 同上 |
つまずきつつもなんとか根気強く勉強を続け、当初の予定通り5月末には学科試験テキスト内容すべてを8割がた理解し、6月あたりから実技試験対策に取り組み始めた。
実技試験テキストを読み進める日々が始まる。
僕は最終的に実技試験用テキストを2冊購入したが、もともとは1冊だけで合格する予定だった。
1冊目はこちら≪【参考書】独学合格者が使ったテキスト紹介【実技編】≫で紹介した、ナツメ社の参考書を購入した。
導入は実技試験に頻出の概念の復習・振り返りのような内容で、学科試験対策と重複している部分も多く拍子抜けした。
が、徐々に各擾乱や事例の具体的な解説や、学科試験対策ではそれほど見かけない高層天気図や実況波浪図、高層断面図やウインドプロファイラ図などなど、本格的な気象解析に使用される専門的な図表の解説などもはじまり、実技試験がどのようなものかなんとなくわかり始めてきたのがこのころだ。
2019年7月~ついに実践対策へ~
初めての実践演習
2019年夏の第52回試験までついに2か月を切ったところで、僕は実践対策に取り組み始めた。
具体的にはテキストに収録されていた過去問に着手してみた。
すると驚いたことに
【全くできない・時間が足りない】
初めての実践演習後に自己採点してみて「75分って嘘だよね?なにかの間違いだよね?」と動揺した。多分最初は解答するだけで120分以上かかったと思う。
ここで
【これまでと同じ対策じゃ絶対に間に合わない】
と直感し、実践演習の質と量の重要性に気づかされることとなった。
過去問演習のち復習、時々学科復習の日々が続く
7月半ばごろ、テキスト収録の過去問10問近くを、解き終わっても、いまだに時間内に一度も解き終われない日々が続いていた。もちろん、徐々に実技試験の形式に慣れてきて、最初に比べればかなり早く解答できるようになったのだが、それでも90分はかかり、それだけ時間をかけても55点~60点ぐらいと、合格基準の70点を超えることはなかった。
ただ、収穫もあった。演習の復習見直しをしていくと
【自身の基礎知識の揺らぎや学科内容の理解の不十分さ】
に気づけた。
学科のテキスト学習・マークシート対策のみでは、学科内容自体が「どんなものか」の理解と暗記はできているが、実際に「どんなときに」「どのように」「なんのために」その知識を使うかは理解できない部分が多い。
実技試験ではその学科知識の「使い方」が理解できていないと解けないので、実技の復習をすすめていくと【なるほど、学科のこの知識はこんな風に使うんだな。】とか【学科テキストのこの概念は理解できずにただ暗記してただけだったけど、こんな意味だったんだな。】と自然と学科テキストの内容の理解も深く・固くなっていくのだ。
おかげで学科試験対策は大変はかどったし、実践演習の復習の際は学科テキストを見直すことも多く、学科試験の復習を意識的にせずとも自然と行えていたので、敢えて学科の復習の時間を作らなくて済んだのは非常に効率がよかったとおもう。
こちらのページ≪【気象知識0から】学科試験合格までのスケジュール(後半)≫でも紹介しているが、学科試験の理解の定着に実技試験対策は非常に有効なので、学科と実技の対策は並行して行うことをおすすめする。
スケジュール的に学科試験しか受験しない場合も、1、2題は実技問題を演習してみてほしい。もし1.2題だけ選んでやるのであれば、自身の苦手なテーマ≪【台風】や【温帯低気圧】など≫をえらんで行ってみよう。
…と、収穫もあるにはあったが肝心の実技対策は思ったほどの手ごたえもなく、僕は新しい方法を試すことにした。
実技テキスト2冊目の購入~過去問を消費する前に~
一通りテキストの実践演習もおわった。気象予報士試験において、過去問は貴重であるという認識はもっていたので【過去問を浪費してしまう前に、もう少し実技の演習をしてコツをつかみたい。】と思っていた僕は、書店で何か類似問題や模擬試験がないかチェックしていた。
が……ない…
僕は独学で宅建も取得している。宅建は模擬試験みたいなものがたくさんあって実践対策に困ることはなかったのだが、気象予報士にはほとんどない。
おどろいた、こんなにマイナーな試験だったのかと。
そこで
【テキスト学習の部分はいまのテキストと重複するからむだになるけど仕方ない】
と思いながら、仕方なく他社の実技テキストに手を伸ばした。
これがうれしい誤算だった。
同じ実技対策テキストなのだが、中身や内容は結構差がある。もちろん、同じところもあるにはあるのだが、同じ内容でも言い回しや表現・図解の方法が違い、1冊目でしっくりこなかった解説も2冊目ではしっくりくることもあったりと、2冊目のテキストのおかげで実技試験に向けての応用力や柔軟性を養うことができた。
2冊目は気象予報士試験受験支援会の出版の【らくらく突破~】である。
内容の詳細は【参考書】独学合格者が使ったテキスト紹介【実技編】に乗せているのでしてほしいが、実技試験の記述のコツやマスの使い方、作図・前線解析に関してなど、詳しく記載されており、独学者には大変ありがたいものだった。講座を取っていれば、そーいうのも教えてもらえるんだろうけど、独学者にはしんどい。
巻末の暗記事項まとめも、単純な暗記だけでなく、簡単な単位の変換の仕方【ktを分速へ・10度=1110kmなど。】など、一見不要そうに見えるが、活用できれば実技試験で非常に役に立つ知識等もたくさnのせてくれており、これが自身の実技試験対策に非常に貢献してくれた。
もし、独学で実技対策に行き詰っている人はこのテキストを追加で買ってみるといいだろう。
僕はこのテキストで、再度実技試験に向けての知識不足・経験不足を補い、収録されているオリジナル問題10題前後も演習しさらにレベルを上げることができた。
とあるサイトとの出会い。
2冊目のテキストのおかげもあり、徐々に実技試験にも慣れ
【そろそろ本格的な過去問対策をするか】
と考え始めたのがちょうど試験1か月前の7月後半ごろのことだった。
ただ、過去問準備にもお金をかけたくないと思っていた僕は、どうにか安く過去問が手に入らないかを探していたところ【某サイト】に出会うのだった。※某サイトに関しては現在管理人さんに紹介してもよいか問い合わせ中です。←そちらのサイト管理人様から掲載許可いただけました、ありがとうございます。2020.9/6
【めざてんサイト】~目指せ天気の専門家~
というサイトです。ものすごく有用な情報と膨大な過去問を無料提供してくださっている、独学者にとって女神のようなサイトでした…このサイトがなければ独学で1年合格は絶対無理だったと思います。直近だとこのサイトの利用者から毎回20~30人の合格者が出ています。
リンクはこちら。
毎回150人ぐらいしか合格者の出ない試験で20~30人ってすごすぎです。是非チェックしてみてください。
こちらのサイトに関してはまた別の記事でまとめます。
めざてんサイトでかなり古いものから過去問対策を進めていき、実践に慣れていくことになった。
このころには、少しずつだが過去問演習で点数もとれるようになってきて、時間内に解けた部分だけで計算して60~70点ぐらいは取れるようになってきていた。ただ、まだまだ時間内に完答するということはほとんどできていなかった。
本業による学習時間の圧迫
もともと、夢があり上京してきた僕は、9月頭にその本業で大きな案件を抱えることが急遽決まり、7月後半から月の三分の二ほどの時間をそちらに割くことになった。
ここで僕の学習計画は完全に狂った。(笑)
が、夏合格を絶対に逃したくなかったんで、アルバイトをすべて有休にして学習に打ち込んだ
2019年8月~ついに1か月を切った。
ここからは日々過去問を解いて復習しての繰り返しだった。
ただ上記で述べた本業のため、時間が予定よりも確保できないまま過去問対策を進めていった。
過去問は1事例にあたり回答時間だけで75分かかる、僕の場合は遅筆だったので80~85分は毎回かかってしまっていた。そこから自己採点と復習をすると1事例だけで120分はかかる。それが、25回分なので50事例ほどあった。つまり、全事例解いて復習するために100時間かかるのだ。
試験までには過去問をすべて解ききりたかった僕の最大の失敗は、過去問演習の
【復習に費やす時間を惜しんでしまった。】
ということだ。過去問を解くことにこだわりすぎて、復習や模範解答文と自己回答文の精査や比較を十分に行えず、ないがしろにしてしまったのだ。
残念ながら、これが失敗だったということに気づいたのは、夏の試験が終わってからだったのだが…。
結局、上記で紹介した某サイトから無料で入手できた第28回試験~最新の第51回試験まですべての過去問を1周し、すべて解いたうえで第52回試験を迎えることはできたにはできた。
このころには、過去問の半分ほどは時間内に解き終わることもあった。点数も65~75点あたりをうろうろしており、運が良ければ合格もできるかもしれないといった実力だったと思う。
2019年8月25日~第52回試験当日~
試験開始まで
そんなこんなで、ついに夏試験当日を迎えた。
完全独学・初受験での一発合格という輝かしい成功を願っていた僕の当日のコンディションは
最悪だった
夢を叶えるために一日でも早く・確実に合格したくて半年間死ぬ気で学習をした。
ここでもし落ちてしまえば、どれだけ早くても気象予報士になるのに半年間かかるのだ。
いや、実際には冬試験の合格発表は3月なので8か月ぐらい先延ばしになってしまう。
夢を追うにはどんどん厳しい年齢になっていく僕には、そのタイムロスは絶対にしてはいけないものだった。
「カルテット」というドラマで高橋メアリージュンが言っていた。
【20代の夢は男を輝かせる。30代の夢は男をくすませるだけ。】と
僕はそのときアラサーに片足をつっこんだ年齢だった。
そんな焦燥の中、文字通り命がけで臨んだ試験日前日に
【ぐっすり布団で眠る】
なんてできるわけがなかった。おかげで僕は一睡もしないまま試験会場にむかい、受験にのぞむのだった。
ちなみに僕は気象予報士試験のせいで、眠れない夜をあと3回繰り返すことになる…。
試験会場での過ごし方
一応記載しておくが試験会場での過ごし方は自由でよいと思う。
自分が一番落ち着ける・平常心を保てる時間を作るのが一番だ。
僕は苦手な分野や「これってどっちだったっけ?」といったその日ふとあいまいになったことなどを最後の最後まで見直していた。
僕にとってはそれが一番の過ごし方なのだ。「不安・不明な事項を抱えたまま試験に臨む」なんて「そこがたまたまでたらどうしよう」と思ってしまって、絶対に精神衛生上よくない。
そのせいで取れる点も取れなくなるとわかっていたので、1秒を惜しんで勉強していた。
が、時間の使い方は各々の自由が一番だ、その日まで死ぬ気で頑張ってきている人なら、最後の数分の見直しで大きく結果が変わることはないだろう。
それよりも、緊張せずにいつもの演習と変わらない平常心・冷静さで試験に挑めるように、リラックスできる時間や環境にすることをおすすめする。
また、一応会場周辺のカフェや文具店、コンビニなど、立ち寄る可能性がありそうな施設はどこにどんなものがあるのかチェックしておいたほうがいい。当日になって、探すために時間や労力を使うのは非常にもったいない。
一睡もできなかった僕は早めにでて、会場周辺のカフェで最後の朝学習に勤しもうと思い、結構早めに会場付近についたが、一切カフェがなく、30分ぐらい駅周辺をうろついた。
この時間は大変もったいなかったと思うので、受験生の皆さんは同じ過ちを犯さないようにしよう。
試験開始❕❕
朝早くから試験がはじまった。学科試験はあまり緊張せずにのぞめた。ただとても眠かった。
これなら大丈夫かもと思い、昼休憩をはさみ、実技1試験を迎えた。
実技試験はやばかった、信じられないくらい手が震えた。やはり学科試験にくらべて自信がなかったのだろう。
学科試験は毎回13点か14点を過去問演習で取れていたのにくらべ、実技は時間内に解けるかどうかも半々という感じだったため、当然といえば当然かもしれない。
手が震えて、ろくに名前すら書けずに最悪な試験のスタートをきった。
異色の実技試験
ここで僕は初めての体験をすることになる。
それは、実技試験の問題用紙から各図表を切り取るという作業だ。
実技試験ではこの切り取り作業が一つの【お約束】のようになっており、実技試験開始から1分間くらいは会場内でミシン目から図表を切りとる音が響き渡る。
僕も前情報で、そういった時間があることは知っていたので驚かなかったが、知らなかった受験生の方は、おどろかないようにしよう。ちなみに切り取るかどうかも自由だ。僕は切り取る時間ももったいなかったので、切り取るものとそのままにするものをあらかじめ決めておき、必要なものだけを早急に切り取って解答にうつった。
試験終了
ということで、実技2まで解き終わったときには16時過ぎであった。
手ごたえとしては学科はまあまあ、実技1はぎりぎり解き終わらせることはできたが、実技2は最後の大問の半分ほどが手つかずで、着手できた部分も時間が足りず解答の精度としてはかなりひどく、実質大問1つ分を最初から失っているような感じで試験を終えた。その日は失意のまま帰路についた。
長くなったので、ここまでを前半とする。
続きはこちら➡0から完全独学で実技試験合格するまで(後半)