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気象予報士試験【専門知識合格】の勉強方法・対策とコツ 

専門知識試験合格には【たくさんの知識のインプット】が必要と考えている受験生は多いと思います。それは間違い無いのですが【暗記というパワープレイ】にとらわれすぎるあまり【戦略】をないがしろにして苦戦している受験生が多く見受けられます。

本記事ではそら坊のおすすめの戦略も記事内で紹介していくので是非チェックしてみてください。

【暗記】と同じくらい大事な専門知識試験の【戦略】

自分に合った戦略を立てることで【無理・無駄・無茶】なく専門知識編を突破できるとそら坊は考えています。もしあなたが今、専門知識試験に苦戦・伸び悩んでいるのであれば【戦略の見直し】が必要です、その参考にしてください。

この記事を特に読んで欲しい受験生

  • 専門知識試験で合格点が取れない受験生
  • 専門知識試験の戦略の立て方がわからない受験生
  • 暗記が苦手な受験生
  • これから専門知識試験対策を始める受験生

専門知識試験の誤解

「暗記が大事」は半分正解で半分誤り

まず、よくある誤りを訂正します。専門知識試験は「暗記の試験」だと思われていますが、これは半分正解で半分誤りです。

確かに【暗記量は多い】ですし【思考よりも知識量】を問われているように見えることも多いです。

もし仮に、範囲の全てを理解し、余すことなく暗記できれば「合格は容易い」です。しかしそれはお勧めできません。

暗記だけで突破するのはむしろ逆効果

一言に覚えるだけと言っても、専門知識試験は「覚える量と範囲に限りがない」ので、【暗記だけで合格】を目指すのは非現実的です。

加えて、気象予報士試験の特徴として、必ずと言っていいほど毎回【初見問題】の出題があるため、【初見問題を0にして試験に臨む】というのは難しいです。

よくもまぁ、毎回そんなところから問題を引っ張ってくるな…と感心します。受験生のマークが甘そうなところを毎回狙っている気がしてなりません。

合格のコツは【暗記】と【戦略】

では、どうすればいいのか?

大事なのは【暗記】【自分の能力に合った戦略】です。自分の能力・環境・センスを顧みて【自分に合った学習戦略・対策方法】に基づいて「何をどこまで暗記するか」や「どの単元に注力するか」を判断して下さい。

そうすることで【無理のない暗記量で最大限の得点】を狙えるようになってきます。

もちろん【最低限の暗記は必須】です。自分の得手不得手を元に、限られた学習時間と脳みそをどう使うかを再度振り返ってみてください。

まずは専門知識試験を知る

専門知識試験の特徴

【戦略】を語る前に、ザクっと専門知識試験の特徴を以下にまとめます。

補足には【一般知識試験との違い】や【陥りがちな罠】に関しても記載してます。

専門知識試験の特徴

  • 知識問題の割合が多い(多く見える)
    • 一般知識試験は計算問題や法律問題など専門知識に比べて出題のバリエーションがあるようにみえる
    • 実際には知識問題以外にも思考力や分析力を問う問題もある。
  • 各単元の配点比重の偏りが小さい
    • 一般知識では【15問中4問が法律問題】といったような【分かり易い得点源】がなく勉強の方針が立てにくい
    • それでも【点が取れやすい単元】や【他の単元より多めに出題される単元】はある。
  • テキストだけでは理解が難しい【予報技術に関する知識】が問われる
    • このあたりを「よくわかんないけど暗記でごり押ししちゃえ」だと危険。
    • 【完璧には分からなくても】できる限り仕組みや流れの理解に努める受験生は合格が早い
  • 範囲が広い&ほぼ毎回ノーマークの範囲からの出題がある。←第61回では【ドップラーライダー】が出ましたね。
    • そのため【ひたすら知識を詰め込まなきゃいけない】という意識に陥りがちになる。

ざっとこんな感じですかね。専門知識試験がそもそもどんな試験なのか知りたいという受験生は以下記事を参考にしてください。

専門知識試験は【戦略が立てにくい】【戦略の必要性を感じにくい】試験

専門知識試験は【各単元の出題・配点のバランスがよく】・【知識問題だらけに見える】せいか一般知識試験に比べて【戦略が立てにくい】試験です。

しかも、受験生によっては【暗記の力技でどうにかなる】と思い込んでしまって【そもそも戦略が不要】と考えてしまっている受験生もいると思います。

確かに【暗記ごり押し】でも【合格が絶対不可】ではないですがやはり効率は悪いですし【人を選ぶ方法】です。その人の【記憶力・学習経験・学習の方法】などの適性や能力次第ということです。【もし暗記のごり押しでうまくいっていない受験生】は【戦略を見直すor立てる】ことをお勧めします。

専門知識試験の【戦略】とは?

専門知識試験が【戦略を立てにくい試験】であることはわかっていただけたと思います。

次に「そもそも戦略って何?」をまとめます。この章の最後にはそら坊のおすすめ戦略も簡単に紹介するので是非ご一読ください。

専門知識試験合格に大事な戦略は大きく分けて2つあります

専門知識の戦略①:どの単元を得点源にするか決める

得意単元を見つける

まずは【得意単元の明確化】です。

莫大な試験範囲全てを暗記して突破しようというのは非常に効率が悪く、点数にムラが出がちです。

「過去問演習で得点が安定しない」のは、このあたりの戦略がないがしろになっている傾向が強いです。

15点の内【どこで11点をもぎ取るか?】の【戦略】をしっかり定め、学習の比重・メリハリをつけるべきです。

【全部まんべんなくやろうとして、全部中途半端】が、最も点の取れない学習方法です。

得意単元はなんでもいいです。「深く理解できた単元」・「やってて楽しい単元」・「過去問演習で安定して点が取れる単元」・「演習のとき勘がいい方向に働くことが多い単元」などが選ぶ候補になると思います。

各単元の得点目標をつける

次に「各単元の得点目標」を考えてください。

具体的には…

  1. 正答率100%の単元
    • 1つでも多くこの単元を作りたい。
    • いきなりここを目指すのは無理なので、以下の②の中から100%に引き上げられそうなものを、ここまで引き上げるイメージ。
  2. 正答率90~75%の単元
    • 正答率100%は現実的ではないので、実際にはここに分類される単元が最も多くなるはず。
    • なぜ75%か?→15問中11問正解で合格。15問のうち【75%】を正答できると11点以上となるため。
    • もちろん90%に近い単元が多いほど点数は安定。
    • 演習と暗記を繰り返して①の100%に限りなく近づける
  3. 正答率50%の単元
    • なぜ50%か?→5択の選択肢を2択まで絞ったときに、2問に1問は得点できるようにするため。
      • つまり【5択を2択に絞るまで】の選択肢の消去は【どんな単元でもできるようになってほしい】
    • 分析力や思考力が問われる内容が、どうしてもここに分類されがち。

という感じで、3つの階層に分けて各単元の優先度を考えていきましょう。

当然ですが①が増えるほど合格の確率が上がります。

得点目標をもとに方針を固める

得点目標を元に、合格の方針を固めるとすると2つの道筋が考えられます。

  1. ①を増やす&②の正答率をできる限り100%に近づける
  2. ③を0にする

もちろんすべて①の【正答率100%】を目指すのが理想ですが、それは非現実的です。A・Bどちらでも自分に合う方を選んでよいと思いますが、Bは問題の相性や運によって不合格になる可能性がAより高くなると思います。個人的にはAがおすすめです。

専門知識の戦略②:暗記だけに頼らない

範囲すべてを完璧に暗記するのはほぼ不可能

何度もいいますが「暗記だけで合格する」のは非現実的です。量も範囲も膨大で、どこからどんな問題が出されてもおかしくないためです。

加えて、専門知識試験には知識問題だけでなく【天気図を使った分析力を問う設問】【既存の知識や文中のヒントから選択肢を確実に消去していくような思考問題】【予報精度評価などの計算問題】などが出題され、受験生の応用力が試されることもよくあります。

そのすべてを【暗記した知識だけで得点する】ことはできません。

だからと言って、暗記をないがしろにしてはいけません。テキストの基礎知識や過去問で得た新知識はその都度その都度覚えていきましょう。

そのうえで意識してほしいポイントがあります。

敗因は【暗記力と知識量】以外の部分にもある!

これは特にリベンジ受験生や行き詰っている受験生に意識してほしいです。

合格点が取れない理由を【知識が足りないせい『だけ』】にしていませんか?

もちろん知識不足は合格を遠ざけますが、それだけに原因を求めるとなかなか得点が安定しません。上記にまとめたように「意外と知識量以外も試されている」のが専門知識試験です。

『過去問演習で出来なかった問題を片っ端から覚える…』というのも大事なことです。が、「ただ覚えて終わり」にしてしまっていませんか?思考力や分析力が試される問題で本質を理解せずに表面的な暗記だけで復習を済ませていては、【類似の初見問題】で点が取れません。

気象現象はたくさんの要素がとても複雑に絡み合って発生しています。

この問題ではどうしてこうなったか?

なぜ自分は模範解答と違う答えを選んでしまったのか?

自分の思考プロセスのどこをどのように改善すれば模範解答に沿った選択肢を選べたのか?

このあたりをきちんと繰り返し見返し考えていくことで【思考力・分析力】などが少しずつ磨かれ、【出題者はこの問題を通して何を試したかったのか?】まで理解できるようになってきます。

具体的にどんな問題で思考力が試されてるのか?

ではどんな問題で【思考力・分析力】が試されてるのか?一概にはまとめられませんが、主に以下の特徴に該当する問題では【知識だけではなく思考力も試されてたのかも?】と思って復習してみるとよいです。

知識量以外が問われてる問題の特徴

  • 【天気図・ウインドプロファイラ・大気断面図・衛星画像】などの図表を用いた問題
    • このあたりは言わずもがなですね。
    • 各種図表の【基礎的な見方】や【何に着目することが多いか】などは基礎知識として暗記必須
    • それらの基礎知識だけで正解が導ける【場合もある】
    • 基礎知識に加え「一ひねりされた問題」や「細かい差異の分析」を問われると難易度があがる
    • それらの「ひねりや細かな分析」を『既存の知識やこれまでの類題』と照らし合わせて【もっともらしい選択肢に絞っていく】というところで分析力・思考力が試されてる
  • テキストや過去問で「明らかに見たことのない単語・用語」が出題されている問題
    • 「知らない単語」が出てきたときに「勉強不足・知識不足」と考えるのは早計
    • 1つの選択肢に知らない単語が含まれていたとしても「それ以外の選択肢が基礎知識のみで正誤判定可能」な場合もよくある
    • 「それ以外の選択肢」で回答を1つに絞り込めない場合は「問題文や他の選択肢、既存知識」などから、未知の用語を類推していく思考力が試されている問題
  • 複数の単元の知識が1問に複合されている問題
    • 例えば【予報精度評価】が出題のメインだが、選択肢の一つがよく読むと「数値予報の知識」や「注意報の発令条件」などを考えさせている問題など…。
    • 「知識の横のつながり」がきちんと理解し使いこなせているか?が問われています。
    • 「表面的に各単元の基礎知識を暗記しているだけ」では「各単元と各単元がどのようにつながって、運用されているのか?」などが見えてないはずです。そのような所を理解できているかどうかも「初見問題で点が取れるか?」に大きく関わってきます。

…など

上記のような問題を間違えた時に【知識不足だったから仕方ない】で済ませていませんか?

これらの問題を一問でも多く得点できれば、暗記の量も減らせますし得点も安定してきます。

更に言うと
上記の1⃣では【そもそもどこまでが基礎知識でどこからが応用か?】
上記の2⃣では【未知の単語を本当にテキストや過去問で見かけたことがないか?】
などは【そもそも基礎知識が身につかないと気付くことすらできません】
基礎がまだまだ不完全な人はまずはそこをしっかり固めてください。
そして基礎知識を身に着けてるのに点が取れない人は、このあたりをしっかり意識して勉強してみるとよいとおもいます。

では最後に、そら坊のおすすめの戦略・対策に関してまとめます。

そら坊おすすめの専門知識試験の攻略・戦略

得意単元のおすすめ!

まずは【何を得意単元にするか?】です。そら坊は以下をおすすめします。

そら坊おすすめ!得点源にするならこの単元!

  • 【予報精度評価】
    • 範囲が比較的狭く、暗記量も少ない
    • 突飛な新知識が出題されにくい
    • 数式など、表面的にはややこしく見える…が、実はかなり簡単なことをわざわざ難しい数式で表現しているだけで理解し易い
    • 出題のバリエーションも限られている
    • 文系・初学者・完全独学のそら坊もここはかなり得意でした。ほぼ間違えたことないです
  • 台風・線状降水帯・積乱雲などシビア現象と防災関連の知識
    • 技術や制度の更新が、生活に直結しているためタイムリーな問題が出題されやすく対策しやすい
    • 実技試験にも活きてくる
    • というか、実技試験対策をしながらこの辺の知識も身につく
    • 「被害を最小限に食い止めるにはどうすればいいか?」という防災制度の意義を考えながら学習すると理解もし易く、且つ最後の1択に悩んだ時に救われることもしばしば
  • 数値予報関連
    • 「内容自体はもっとも難しい」が全単元で最も出題頻度が高く配点比重も大きい。
    • 全受験生が苦手としているので、完璧に理解できていなくてもしっかり数値予報の概要や流れを押さえておくだけでも差がつけやすい
    • 「理解するところ」「暗記で処理するところ」「捨てるところ」の取捨選択が大事
  • 気象衛星画像
    • ウインドプロファイラや断面天気図、ドップラー気象レーダーなど、図表は色々出てくるが、それらの中では気象衛星画像による雲形解析が最も典型的な問題が多く解きやすい印象
    • これもやはり実技試験対策で学べる
    • ここをまずきちんと理解して、他の図表などとリンクさせていくとよさそう

もちろん、全範囲の学習が必要なのであくまで「得意単元にしやすい優先度」です。得意な所はどんどん伸ばしていき、必ず得点できるようにしていきましょう。苦手な単元も知識・暗記で補えるところはできる限りそうしていき、少しでも選択肢を削れるようにしていってください。

予報精度評価で絶対得点する!ためのnote記事

予報精度評価で絶対得点するための、ノウハウをすべて詰め込んだnote記事を執筆しました。
30000字弱のボリュームに、自作のオリジナルスライドも約10枚掲載しています。
これを読んでいただければ、絶対に予報精度評価で点数が取れると自信をもって言える出来になりました。
気になる方は、是非冒頭だけでもチェックしてみてください。

学習導入のための記事一覧ページはこちら

対策方法のおすすめ2選

おすすめ対策方法①:映像学習を取り入れてみる

専門知識で出題される「予報技術」は【文章やイラスト】だけで理解するのはそもそもむずかしいです。

なので、どうしても苦戦する場合必要に応じて映像授業なども使っていくのがお勧めです。

特に本サイトでも何度か紹介している映像授業サービス【オンスク.jp】は無料体験もできお手軽に対策できます。

もちろん独学に越したことはないですが、成果が出るか分からないまま追加で新しいテキストを購入したり、不安定な点数のまま次回受験にチャレンジしてしまうよりは試してみてもよいかもしれません。

学科試験はなるべくスムーズに合格し免除を得て、早めに実技試験に注力するのが気象予報士試験の合格の定石です!

以下に【オンスク.jpを実際に使ってみたレビュー記事と無料体験のリンク】を載せておくので気になる方はチェックしてみてください。

予報精度評価で絶対得点するためのnote記事はこちら

おすすめ対策方法②:実技試験の学習をしてみるor実技試験の過去問を解いてみる

上記の「おすすめ単元」でも軽く触れましたが、専門知識試験で学んだ内容はさっそく実技試験で使うことになります。

というか、専門知識の内容がきちんと理解できていないと、そもそも実技試験が解けません。

最初は全く解けなくてもいいので、実技試験に実際に触れてみることで【専門知識で学んだ内容がどのように気象予報に活かされているか】の輪郭を掴んでください。

そうすることで【なぜ、いま専門知識でこんなことを学んでいるのか?】や【各単元の要点】もつかめ、理解が更に深まるはずです。

更に短期間では伸ばすことの難しい【思考力・分析力・応用力】の向上に必ずつながります。

是非恐れずに、実技試験の過去問を解いてみてください。最初は全くできないはずですが、みんなそうなので気にせずにゲーム感覚で取り組んでみてください。


ご精読ありがとうございました。もし、この記事を読んでみて「対策方法の見直しや映像授業の検討」をされる受験生は関連リンクを下に載せておくので参考にしてみてください。

  • この記事を書いた人

フリーター・そら坊

文系卒の理系知識0のフリーター気象予報士。 2019年1月:予備知識0で学習開始 2019年8月:第52回試験で学科試験両科目合格も実技試験で不合格 2020年1月:第53回試験で実技試験も突破し完全合格 現在は気象予報士試験受験生に対し【サイト管理】と【個別指導】で微力ながらバックアップを行っています。 現在、株式会社アガルートさんでのコラム記事も執筆しております! ※メガネはかけておりません、画像はイメージです!※

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