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54回解説 実技【過去問】

第54回試験解説・復習:【実技Ⅰ:大問3】

大問2からの続きです。

大問1の解説ページは➡第54回試験解説・復習:【実技Ⅰ:大問1】

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大問3~予想天気図・トラフ追跡等~

問題文を貼っておきます。

大問3問題文(1)

☆ここからついに予想図を使っていきます。

さて、ついにここからが本番みたいなものですね。たくさんの予想図を使った解析に入っていきます。

使う資料も図1~3と図6~9と少なくとも七枚あります。

ではいきましょう。

(1)500hPaトラフに関して。

さて、みんな大嫌いなトラフがついに出てきました。トラフは避けては通れないです、頑張りましょう。

まず、大事なことは

☆図2(下)と図6以外は使わない

ということ。問題文に書かれている以上、この2つの図だけで解答できるようになっています。余計な図を使っても得点には一切つながりません。

①初期時刻(T=0)➡12時間後(T=12)のトラフの位置と移動・速度に関して

早速鉄板のトラフの位置と移動に関しての出題です。

各図をチェックしてみましょう。図2(下)と図6ですね。

こんな感じでどうでしょうか?見やすければいいのですが。

T=0トラフからT=12トラフまで、12時間で8°ほどの移動に見えますね。

1°=60NM(海里)ですから8°で480NMです。

480NM÷12h=40kt/1h

ぐらいが妥当ですかね。

進行方向は東ですね、東南東に見える人は、地球のゆがみをきちんと補正して考えましょう。

ただし、問題文の指定で

【8方位で答えよ】

となっています、ここを見落とさなければ東と回答はできたと思います。

見落としていた受験生はしっかり問題文をチェックしましょう!!

5580m等高度線とT=12トラフの交わりは経度としては125°と126°の間で125°寄りではないかなと見て取れます。

なので125°でしょう。

さて、次です。

②トラフの盛衰に関して

問題文は以下です。

問3(1)②

T=0➡T=24でトラフが深まったか浅くなったかの問題です。改めて見比べてみましょう。

左は図6(上)の12時間予想図、右が図6(下)の24時間予想図です。

まず24時間後のトラフの位置解析ですが、僕は

【正渦度極大域】【5880m等高度線】

を参考にしました。

渦度は500hPa付近ではほぼ一定となっているので、若干の変化はあれど基本的には一定です。

12時間予想図でのトラフ(赤でBとしています)の位置に+93の正渦度域極大域があります。

これを追跡し、24時間予想図で+109の正渦度極大域のある付近をトラフ(緑でCとしています)にしました。

また気象予報士試験では

☆前後の問題の関連が強い

という特徴があります。

大問の序盤の問題や解答が中盤・終盤の問題への解答の誘導になっていたり、その解答を用いてさらに問題を解いていくという出題形式が多いです。

ここでも①で出題された【5580m等高度線】とトラフの交点が使えると思います。むしろ、この②を答えさせるために①で等高度線との交点を求めさせたのでしょう。

ということで、24時間後のトラフは初期時刻のトラフに比べて南への深まりが弱まり、より緯度の高い北側に浅くなっているように見えます。

特に5580m等高度線との交点を見ると明らかです。

なので解答は【不明瞭になる】が正しいでしょう。

以下(1)の模範解答です。

正答に幅をもたせてくれていますね。

ただし解析したトラフの経度は、そのまま速度の計算につかうため

125°と回答した人は速さは35ノット

124°と回答した人は30ノット

126°と回答した人は40ノット

と回答できなければ速度のほうで点数はもらえないと思います。

僕は125°と解析したのに40ktと回答したのでおそらく速度のほうでは点数はもらえません。

初期時刻のトラフを12時間予想図に転記する際にすこし雑にしてしまって位置がくるってしまったのに加え、12時間後のトラフ位置を126°寄りの125°と解析したため、1°分の誤差が出てしまったのだと思います。

では次に行きましょう。

(2)地上低気圧の進行方向前面の特徴

問3(2)

40字の記述問題です。

まず40字というところに着目して、つかう字数をざっと計算してみましょう。

主語➡5字 赤下線➡15~20字 青下線➡15~20字 助詞・接続詞・句読点➡10字

こんな感じで40~50字ぐらいになるとざっとイメージしておけると、記述分を一発で回答欄に収めることができます。

無鉄砲に行き当たりばったりに記述していくのはやめましょう。

30字以上の記述であれば、ほんとにざっと数秒でいいので字数の概算をしてみることをお勧めします。

15字や20字の記述は必要最低限のことしか記述できないので、特に概算しなくても、必要な要素を見抜いて的外れな解答をしなければ、自然と回答欄に収まるので、20字以下の記述問題では不要です。

では各図表をチェックしましょう。

図7(上)

進行方向前面で、気圧の尾根が発生しているのがわかります。等圧線が低気圧に向かってくぼんでいます。

沿海州付近の高気圧からの張り出しですかね。

気圧の【特徴】だけではなく【分布の】特徴とありますので、分布に関わる情報を記述する必要があります。

分布に関する特徴は

  • 低気圧から見た方角
  • その特徴の走行

などで表現できます。

今回のケースだと

低気圧の進行方向である北東側に北北東から南南西にのびる気圧の尾根がある。

という感じでしょうか。

問題文赤下線の要素はこれですね。

図7では大気下層の気温分布の特徴がわからないので、図8・図9を見てみます。

といった感じになっています。図8は850hPa・図9は925hPaの下層大気の気温分布です。

どちらも等温線分布が似たような形になっているのが確認できます。

さらに、図7でみた気圧の尾根の形と等温線の形がそっくりですね。

これをまとめると

【地上の気圧の尾根に、下層大気の気温の谷が対応している】

といえますね。これが問題文青下線の要素になります。

以上から回答をまとめると。

【地上低気圧の進行方向前面である北東象限に、北北東から南南西への走行をもった気圧の尾根が見られ、その気圧の尾根と下層大気の気温の谷が対応している。】

めちゃくちゃ丁寧に書くとこうなりますが、これで73字もあるので解答欄に収まりません。

問題文ですでに述べられている要素は記述から省いてOKです。このケースだと「低気圧の進行方向前面にあたる関東地方の」と指定されているので、そこは省きましょう。

【低気圧の北東側に北北東から南南西へ伸びる気圧の尾根があり、下層大気の気温の谷と対応している。】

これで47字です。こんな感じで大丈夫じゃないでしょうか?

模範解答は以下です。

より平易な日本語での解答となっていますね。

満点がもらえるかはわかりませんが、おおきな減点はないと思います。

ただ気温の谷と表現するには、すこし谷の食い込み具合が小さいかもしれませんね。

低温域などと表現したほうがよかったかもしれません。

次です。

(3)T=0➡T=24の気温に関して。(4)前線解析

残りは一気に行きましょう。問題文は以下。

(3)①T=0➡T=12とT=12➡T=24の0℃等温線の移動

まずはT=0~T=24までの850hPaでの気温情報の載っている図をピックアップしましょう。

それぞれ0℃線をピンクで上塗りしています。各図表の左わきに細かい解析がしやすいように拡大した小窓をつくってくれていますね、なんか第52回ぐらいから、受験生へのこういった細かい配慮が増えてきた気がします。

0℃線と東経140°線砥の交点は

T=0で北緯35.5° T=12で北緯36° T=24で北緯35.5°ぐらいかなと解析しました。

ということで①の解答は

T=0➡T=12は北へ0.5°

T=12➡T=24は南へ0.5°

と導きました。

(3)②地点Aの各時刻における温度移流場

②も上記の図を見てもらえるとわかります。

地点AでのT=0、T=12、T=24それぞれで温度移流がどのようになっているかを解析する問題です。

鉛直ではなく水平天気図での温度移流は、風向と等温線を確認して判別します。

低温側➡高温側に等温線と交差する風向であれば寒気移流

高温側➡低温側に等温線と交差する風向であれば暖気移流

等温線と風向が平行であれば移流はほぼなし。

ということで、地点A付近の風向をチェックしてみると

T=0は暖気移流

T=12も暖気移流

T=24は寒気移流

であることがわかりますね。

(4)前線解析

では、問3最後の問題です。

前線解析では、問題文に見落としてはいけない事項がたくさんあります。

たとえば

  • 前線記号をかくかどうか
  • 閉塞しているかどうか
  • 前線をどこまでの範囲で書くか
  • 寒冷・温暖・閉塞・停滞のどの前線を書くのか
  • 前線の一部か全部か
  • 前線は何種類解析できるのか

などなど…

特に前線解析では問題文での指定を見落とすと解けるものも解けなくなってしまうので、注意しましょう。

今回は

前線記号は用いず・実践で・枠まで伸ばす

3つの指定があります、しっかりチェックしましょう。

そして、図8に着目してとあるので、それに従いましょう。

初期時刻にあった前線の12時間後の予想位置なので、図1の天気図とT=12の予想図を使います。

前線解析の基本はいくつかありますが今回は

気圧の谷の走行に沿う・等温線集中帯の南縁

ここを押さえれば作図ができそうです。

図7の地上低気圧の東北東に伸びる気圧の谷と図8の6℃の等温線に沿って進行方向前面側の前線が伸ばせそうです。

背面側の前線は、図7の四国南海に向かって伸びている気圧の谷に沿いつつ図8の12℃の等温線に沿って解析ができそうです。

ということで僕はこんな前線になりました。

ちなみにですが、九州地方に伸びる気圧の谷に向かって前線を解析したくなる気圧の谷があるんですが、図1でそれらしき気圧の谷には前線が引かれていなかった点や図8に着目してという問題文の指定から、地上天気の気圧配置よりも、850hPaでの等温線をメインに考えた前線解析をすべきだったという点から、九州地方に向かっての気圧の谷に解析するのは出題者の意図に反します。

出題者は九州に向かう気圧の谷に前線を解析してしまわないように、「図8に着目して、図1を参考に」などと問題文で指定してくれたのだと思います。出題者の意図を汲み取る読解力も必要ですね。

すみません、気を抜いて枠線まで前線伸ばし損ねちゃいました、失礼しました。

ということで模範解答は以下。

沖縄付近の低気圧にきちんとつなげてあげていますね、僕はそこができていなかったので減点になるかもしれません。

ということで第54回実技1の問3解説でした。

  • この記事を書いた人

フリーター・そら坊

文系卒の理系知識0のフリーター気象予報士。 2019年1月:予備知識0で学習開始 2020年8月:第52回試験で学科試験両科目合格も実技試験で不合格 2021年1月:第53回試験で実技試験も突破し完全合格 現在は気象予報士試験受験生に対し【サイト管理】と【個別指導】で微力ながらバックアップを行っています。 現在、株式会社アガルートさんでのコラム記事も執筆しております! ※メガネはかけておりません、画像はイメージです!※

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