タイトル通りの過去問解説記事です。復習の参考に活用ください。
第57回実技Ⅰの総評
難易度
難易度は【平年並み~やや難】だと判断します。
全体の所感
第57回実技1は、梅雨期の温帯低気圧や高気圧がテーマです。
テーマ自体はよく見かけるものですし、解答のための作業量や工程数も平年並みでしたが、低気圧が時間差で2種類のトラフと結合し再発達するといった内容や、低気圧と高気圧の速度差により発生する現象の問題、【低気圧とトラフ】だけではなく【高気圧とリッジ】の対応の解析など、当時ではあまり例のない出題もありました。
さらに予報文の作成といった、意表をついた問題もあったため、難易度としては辛めに見積もって【やや難】といったところでしょう。
本問題の活用法
梅雨の事例や温帯低気圧のライフサイクルがきちんと理解できていないと解けないので、梅雨期や温帯低気圧がまだまだ弱い方は優先的に復習しましょう。
強風軸と前線解析は概ね基礎的なものなので、基礎練習になります、梅雨期の湿度傾度による前線の解析はイレギュラーなので、そこだけ気を付けましょう。
予報文の作成はこの回の問題でしっかり練習しておきましょう。
本問題の目標点
第57回の実技の合格基準点は62%以上合格でした。
それらも踏まえると、初見で70点を目標にしたいです。
イレギュラーな問題もありましたが、梅雨期と温帯低気圧の構造やライフサイクルをきちんと理解できていれば、6割~7割は取れたはずです。
6割を下回る場合は、梅雨期・温帯低気圧に関して再度復習をしましょう。
問3予報文作成はてこずるかもしれませんが問3の配点21点のうち
問3(1)は予報用語の暗記問題→4点
問3(2)①の分析問題→4点
問3(3)の発令される可能性のある注意報→5点
と、13点は基礎暗記と簡単な分析で取れるので、決して7割は難しくありません。
問3で得点が半分以下となってしまった方は時間配分や試験戦略を見直しましょう。
では、本題の解説記事に入っていきます。本サイトでは途中までの公開です、最後までご覧になりたい方はnote記事へどうぞ。
気象予報士実技試験第57回実技Ⅰ 解説
問1
問題文
早速問1から見ていきましょう、まず問1に共通の問題文を載せておきます。
小問毎の問題文は更に細かく分けて載せていきます。
では、小問ごとに見ていきましょう。
問1-(1)
(1)の問題文は以下です。よくみかける気象概況の穴埋め問題です。回答の方法に指定があるところは黄線を引いています、見落とさないようにしましょう。
長いので、前後半に分けていきます。
問題文の穴埋めのところに色分けして下線を引き、その下線と同じ色を使ってその穴に対応しているポイントを結び付けています。
以下の図をご覧ください。
このあたりは知識問題のため、特に解説は入れておりません。
前半は、図1上のデータにそのまま着目するだけでした。
雲記号や天気記号は正確に覚えておきましょう。
たまに図の右端に擾乱の詳細を英文でまとめていることもあり、そちらを読み解くケースもあります。
以下は第58回の図1のものです。
今回はそれではなく、擾乱付近に載せられた気圧値や矢印を使う問題でした。どちらで出題されても対応できるようにしましょう。
続いて後半です。後半は図1以外にもいくつかの図を使っています。以下のような感じです。
⑦は、該当する正渦度極大値を桃線で囲っています、赤い×に地上低気圧中心を記載しています。
⑧と⑨は地上の温暖前線を850hpaまで持ち上げた時の、温暖前線の位置を等温線を使って求める問題です。
地上前線は18℃の等温線のやや南側に存在しますが、850hpaまで持ち上げると1~2°あたり前線の位置は北上しているので、850hpaの温暖前線は15℃と18℃の等温線の挟まれた位置あたりになりますね。
⑩のバルジは、上層雲の北縁に見られるふくらみなので、輝度温度は「低い」ですね。
⑪は文脈や図1の前線を元に「閉塞点」であると言えます。閉塞点を解析するヒントである500hpaの渦度0ラインも対応していますね。
だいたい第50回の後半ぐらいの時期から、問1の気象概況にて複数の図表を使ったり、移動速度や距離を計算させるなど、ただの穴埋めにもかかわらず回答に時間と手間のかかる問題が増えてきました。
繰り返し練習して、精度と速度を両立できるようにしましょう。
問1-(1)模範解答
問1-(2)
次は強風軸作図ですね。問題文と解説図を一枚にまとめています。
続きはnote記事での公開になります。続きが気になる方は以下リンクよりどうぞ!
そら坊の過去問解説note【第57回実技Ⅰ】