前回の続き。前回記事は【気象予報士試験】0から学科試験独学合格まで(前半)
2019年6月~過去問対策とそのためのインプット・暗記~
どんな資格試験でも必須の過去問対策。調べていくとわかりますが気象予報士試験は各種団体の行っている模擬試験や類似問題などが極端に少ないです。気象業務という試験の内容の性質上仕方のないことかもしれませんが…。
つまり過去問にも「限りがある」んです。
その限られた過去問を最大限有効活用するために、出来る限り知識をインプットした「本番さながら」の状況で取り組むのがベストだと思っています。
そのためには過去問対策の前に「テキストの暗記」が必要になってきます。
おおむね予定通り、6月にはいるまでに一通り学科試験のテキストを読破し、大雑把にだが内容の理解もできました。
改めて暗記に取り組もうとテキストを最初から見返してみると…
驚くほどにテキストの内容が理解できてしまうんです。
何度読み返して理解できなかったところも、「こんなことを言いたいのかな」「きっとこういうことだろうな」と、断片的にだが理解できていて驚きました。
躓きながら、頭をひねりながらテキストと向き合っていく中で「理系脳」や「気象脳」が育ってきていたんだなと初めてその時に実感でき、うれしかったことを今でも覚えています。
何度も言いますが【いつか理解できる日が来ると信じて、躓いても気にせずテキストを読み進めて欲しい。】
で、肝心の暗記だが、思いのほか苦労はしませんでした。
ただ、僕は純粋な記憶力はかなりの自信があり、かつ暗記のコツやテクニックなども元々詳しく、それらを駆使して勉強に取り組むタイプだったので、暗記に自信のない人に関しては倍ぐらいの時間と手間を見積もって頂いたほうがいいかもしれません。
ここでは長く述べないが、暗記に関しては「内容を理解しての暗記」と「純粋な単語・記号としての暗記」がああります。
どちらが強固でスムーズな暗記になるかは言うまでもなく前者です。
事前に学習内容を一通り理解・把握しておくことで、どこを覚えておくべきかやそれぞれの暗記事項がどのように関連づいていくかのストーリーやイメージを持つことができる。
これまでの学習は暗記をスムーズに進めていくための布石でもありました。
手当たり次第テキストの最初から最後までひたすら暗記してすすめていこうという学習は非常に効率が悪く、且つ忘れやすい学習方法なので改めることをおすすめします。
もちろん、ひたすら覚えるしかない内容もあり、そちらの方が効率の良いものもあります。
たとえば、気象法規等の法律や警報の基準等、人間が人間のために定めたものはその代表です。
ただ、そういった内容でも覚えやすくする方法はいろいろあります、暗記に関しては奥が深いので別ページでいつかまとめますね。
半月ほどで一通り暗記を完了し、過去問対策にうつっていきました。
そして暗記の甘い単元や過去問で初見の問題や内容をさらに暗記する…を繰り返していって6月は終わりました。
また、過去問では絶対に初めて見る問題にたくさん出くわすのを今のうちに覚悟しておいてください。
一般的なテキストでは出題範囲をすべて網羅出来ているわけではありません。
気象庁のHPにしかのっていないことが当たり前のようにでてくるし、さらにそのHPの入り組んだ先にあるPDFにちらっと乗っている知識が出題されたりなども毎回あります。
そのため、テキストに載っている内容は百発百中で正答できるまで暗記していないと学科試験通過は難しいと覚悟しておきましょう。
ちなみに過去問ですが、直前になって過去問を使い切ってしまうという事態だけは防ぎたかったので、直近3年分ほどを残し、この時期に残りを解いてしまいました。
毎回、合格点である11点以上は取れるぐらいに理解は定着していました。
また、実技試験の学習もはじめていったのもこの時期です。
まずは実技試験に関しても知識のインプットからなので、6月はそれに努めました。
2019年7月~暗記の定着と実技実践対策・アウトプット~
僕は夏の試験での初回受験で一発合格を目指していたので、ここからは実技試験の実践対策にはいっていきました。
そのため、学科試験に関する学習は、暗記を定着させるための最低限の見返しと復習のみだったので学科試験対策の参考にはならないかもしれません。
ただ、一つ伝えたいことが【実技試験対策をすることで学科試験の内容の理解度が上がる。】ということです。
なので、学科試験のみ受験予定の人も、すこし実技試験の学習に取り組んでみてください。
実技試験では、初歩の初歩ではあるが、実際の気象予報における考え方や気象予報を作り上げていくプロセス、予報のためのノウハウに触れていきます。
その内容を体感することで、【なぜ学科試験でこの内容を学習したのか】【理解した知識をより本質的に深い理解へと導く】ことなどができ、暗記の効率化や正確さにとてつもなく良い影響を与えてくれるはずです。
前半でも述べたが【気象予報士の学習は全て繋がっている】んです。
2019年8月~受験直前に確認すべき副教材3つ~
ついに受験まで1か月を切る、暑い8月となりました。
僕は実技試験対策を本格的に始めた6月ごろから、週3のアルバイトのない日や夢のための活動がない日は、毎日家の近くの図書館の学習室に昼前から閉館まで入り浸っていました。
受験直前の学科試験の学習といえば薄れてきた暗記内容を再度見直しながら、解かずに残していた学科試験の直近の過去問を解き、そこで新しく学んだことをまたインプットするのがメインでした。
学科試験をなかなか突破できない人は参考にしてほしいのだが、学科テキストだけを読み込んでも安定して合格点をとることは難しいです。
テキスト以外に最低限以次の3つは+αの学科テキスト・副教材として、気象知識の拡充に使ってください。
1.過去問・模擬試験で得た新知識
「テキストに載っていないから覚えなくていいや」と覚えずにそのままにしてしまうと、安定して学科試験で11点を取るのは難しいはずです。
気象予報士は一度出た問題がそのまま使いまわされることはほとんどなく、毎回なにかしら新たな切り口やテキストに載っていないような知識が出てきたり、類似問題が出るとしてもこれまでにないひねり方をしてきたりします。
自分の受験する試験でも必ず初見の問題がでてくると覚悟して、目に入った新知識は皿までむさぼっておく意気込みで頑張りましょう。
2.実技テキスト・実技問題の解説から学んだ知識
学科試験だとしてもただ覚えているかどうかだけではなく、思考力を問われる問題ももちろんあります。
実技試験対策をすこしかじっておくだけでも、学科試験で大変役に立つと思います。
学科試験のマークシートは4択なんて生易しいものじゃなく、少なくてもほぼ5択はあるし、単純な暗記や知識だけで正しい選択肢を1つに絞らせてくれることなんて完璧な暗記と準備をしてきた受験者でも半分ほどだと思ったほうがいいです。
シンプルな知識と暗記で少なくとも半分以下に選択肢を絞って、そこから先は論理的に選択肢の正否を吟味して、はじめて1つの正答に導いてもらえる…。
実技試験の対策や学習はまさにその気象学的見地における論理的思考力・判断力を問われるものなので、必ず学科試験にも役に立ちます。
3.気象庁HP
最後に気象庁HPは必ず常々チェックしてください。余裕のある人は試験直前といわず学習をはじめてから週に2、3回は除くことをお勧めします。
各テキストも必ず気象庁HPに使われている文言やグラフ、表などをテキスト内に引用しています、それもいくつもです。
そして、気象庁HPには常に最新の情報が記載されています。
僕も受験直前期には【早期注意情報】(気象庁ホームページへ飛びます)という当時は比較的新しく始まった制度に関してテキストにあまり載っていなかったので随時確認していました。
常に最新情報に触れて知識をアップデートするためにきちんと気象庁HPもチェックしよう。
こんな感じで学科試験対策:実技試験対策=2:8ぐらいのバランスで当日まで学習を進めていき、試験本番を迎えました。
試験当日は会場入りして、こまごました直前や試験の空き時間は知識等の最終確認に時間を使いました。
ちなみに問題用紙は持ち帰れるので自己採点用にできる限り自身の回答を書き写しておきましょう。
これをきちんとしておけると、合否の目途がつけやすく、次回の動き方の参考になるはずだ。
ちなみに、この第52回の学科試験:専門知識で出題された問1だが、まさに自分が受験直前に気象庁HPを覗いて知識を得ていた内容から出題され「これ、進〇ゼミでやった問題だ!!」をリアルに体感することができました。
気象庁HPのめちゃくちゃ目立たないマイナーなところにあるPDFファイルに載っていた内容で「まさかこんなところまで出ないと思うけど…」と思いつつ流し読みしていた感じだったので、出てきたときは喜びよりも「もっとしっかり読み込めばよかった」と焦りのほうが強かったです(笑)
なんとか正解できたが最後の2択でめちゃくちゃ悩みました。
【気象観測ガイドブック】という資料だ。この資料の存在を知っていればググればいいので見つけるのは非常に簡単ですが、何も知らない状態でここにたどり着いた自分をほめたたえたかったです。
敢えてリンクは張らないので、読者の方たちもぜひ自力で気象庁HPのTOPからこれを見つけてみてください。
2019年9月~合否発表まで手がつかず~
慣例として夏試験は8月の最終日曜に実施され、合否発表は10月頭と1か月以上日が空きます。
これは大変心臓に悪いのでやめてほしいです(笑)
試験後は一発合格を信じて何も勉強はしませんでした。
試験までの数か月かなり勉強に時間を割き詰め詰めだったので久々に気持ちを緩めたのがこの時期です。
試験後~発表までのスケジュールはこんな感じでした。
試験日➡数日で各業者が学科試験の模範解答発表➡試験月翌月半ば正式解答発表➡試験月翌々月頭合否発表
といった流れです。業者の発表した模範解答でも例年1,2問間違っていたり、業者によって解答が違っていたりしてネットが荒れるのも年に2回の恒例行事みたいです(笑)
僕は各業者の解答速報を参考に自己採点し学科は両科目とも13点を超えていたので、ボーダーが多少上がっても問題なかった。
どちらかというと実技2で時間が足りず最後の大問の8割近く未回答だったので非常にナイーブになっていました。
実技1・2合わせて65%ぐらいの得点率だったので実技のボーダーが下がればもしかしたら…という状況で合否発表までは終始そわそわしていました。
twitterで各受験者の試験に関する反応や感想、手応えをあさったりして自分を落ち着かせていました。
2019年10月~合否通知はがきの到着~
運命の日が来ました。
いまは通知はがきも来ますが午前10:00ごろにはネットでも合否が確認できます。
合格者一覧に僕の受験番号はなかった。
しかし、学科試験は両科目とも自己採点通り合格していた。
この瞬間に僕の一発独学ストレート合格の夢は破れ、代わりに得たものは極度の疲労感と倦怠感、そして1年間の学科試験受験免除の権利でした……
ここまでが僕の学習開始から学科試験合格までの半年間の道程です。
ぜひ学習の参考にしてください。
6月以降からは学習の半分以上は実技試験対策に費やしているので、効率よく、計画的に学習できる人であれば実質3か月ほどで学科試験合格のみでよければ見込めるとおもいます。
実技試験編につづく…